イチオシ作品
最近の投稿作品 (84)
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僕は行く、桜の向こうへ
僕は行く、桜の向こうへ
花明かり
桜の色
星の降る夜
桜の下に埋まっているのは
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「世界よ、腐れ」と僕は言った
「世界よ、腐れ」と僕は言った
翼があると嘯いて
君に背中 見せずに
蝋の細工で誤魔化した
すぐに溶けるとわかっていて
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ラティメリア
ラティメリア
ラティ 僕のことは忘れて
顔を上げてほしいんだ
いつかまた会いに来るから
その日まで さようなら
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ガラスの銃弾は朝を告げる
ガラスの銃弾は朝を告げる(改題)
夜明け前 薄らぐ星の帯
どこか錆びついて軋めくものは何?
君のさよならはあまりに唐突で
僕の退屈をどこかに連れ去った
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都合のいい恋を始めましょう
都合のいい恋を始めましょう
およそ太陽に届かぬわたし
地べたを這いずって 泥を啜るの
熟れた果実から溢れたしずく
骨身に徹えるほど 芳しくある
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春には雪が解けるから
春には雪が解けるから
幼いころ巻いたぜんまいが切れても
僕たちは歩き続けるだけ
君の細い背中を思い出すたび
心臓が左によれていくんだ
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ブライトソング
ブライトソング
絶望の先が奈落でも
それでも信じたいよ 希望の歌を
途切れた言葉は鏡合わせ
重ねて届けたいよ 君の元まで
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夏に囚われている
夏に囚われている
いま あの日の空 夏の香が蘇る
目映いほど狂おしい蝉時雨
離れた手に気付くたび また繋いで
レールの上 いつまでも歩き続けた
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星を繋ぐ
星を繋ぐ
月のない空の下
手を伸ばし 背伸びして
瑠璃色の手紙 明日に届け
羽根のように 音のように
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嘘つきのダンスフロア
嘘つきのダンスフロア
終わらない花弁に くちびるを捧げた
生きたくって 生きたくって 息ができない
壊れない仮面が 素顔のように微笑む
苦しくって 苦しくって 空を仰いだ
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明日の先の未来へ
明日の先の未来へ
美しい物語なんて僕らには似合わない
筋書き通りなんてつまらないだろう
昨日と明日なら、僕は明日を選ぶ
たとえそれが過酷を強いるものでも
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ノックノック
ノックノック
心煙る夜明け
今日も明日も何もわからずに
うつむいて歩いた
水溜まり越しの空は花緑青
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日曜日のモノローグ
日曜日のモノローグ
明日の調べを
明日の心を
枕元に用意して眠る
夜明けに銀を
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ヘニー・ペニーは悔やまない
ヘニー・ペニーは悔やまない
世界に告ぐ 掃き溜めの内側から
愛を貫いた人魚姫は泡となった
世界に告ぐ 有象無象の言葉で
ナイフを打ち捨てた決意の重さと尊さを
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十三番目のチャイカ
十三番目のチャイカ
昨日の影に跪く
人間の群れ
佇むチャイカ
明日の記憶に傅く
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メビウシスタ
メビウシスタ
幼い頃に
庭の土に埋めた種は
思春期を迎え
僕の背丈を追い越した