昔、誰かが言っていた。
星は、亡くなった人の生まれ変わりだと。
「リント?また空見てんのか?」
「ちょっと邪魔しないで。もうすぐなんだから。」
「もうすぐって?」
「月食。年に一度くらいしかない貴重な日なんだから。邪魔しないで。」
「俺ん家泊まりに来た意味ある!?」
「だってカイトん家建物に遮られてなくて見やすいだろ?」
「そーですか。…リントってさ、」
「何だよ。」
「何で星、好きなの?」
「何でって…好きだから。」
「意味分かんないし!答えてもいないし!!」
「星ってさ、ひとつひとつが自ら光ってんじゃん?」
「うん、知らないけど。」
「だからさ、自立してるし、何か自由だし、重みがある。俺もいつか星みたいになりたいな~って。」
「それって死ぬってこt」
「縁起でもねぇこと言うな!!」
「嘘だよ。」
「あっ、始まった!!」
それから俺はリントと月食を見た。
15年以上生きてきて、こんな綺麗なものがあったなんて初めて知った。
「すげ…」
「な、言ったろ?」
「次の月食は来年なんだ。よし、来年もカイトん家来るからな!!」
「はいはい。」
溜め息をついたが、とても楽しみだった。
「…リント、来ないな…」
もう少しで月食が始まるのに。
「あ、流れ星。」
空にひとつの光が通った。
『♪~♪~』
「はい、あ、クオ?どうし…」
『リントが…っ事故で!!』
無我夢中で走った。
病院に着いたらクオが手術室の前で待機していた。
「クオっ!どういう事だよ!!」
「助からないかも…知れない…。トラックに跳ねられて、意識不明の重体で…」
目の前が真っ暗になった。
リントが…死ぬ?
確かに、星みたいになりたいって言ってたけど、本当に星になるなよ!!
さっき流れた星も、リントだったのか?
「戻れよ…」
数時間後、手術室のライトが消え、ドアが開いた。
「リントは!?」
リントのお母さんが聞く。
「手術は成功しました。ですが、安静にしてくださいね。」
助かっ……た…
「なぁ、カイト。」
麻酔も切れて、普通に話せるくらいになった。
「何だよ。」
「俺、星になった夢、見てた。」
「死んだってこと?」
「わかんねぇけど、いい夢だった。覚えてないけど。」
「覚えてないのかよ!!」
「そういえばさ、」
「次は何だよ。」
「月食終わっちゃったなーって。」
「当たり前だよ、お前が事故るからだよ。」
「だよなー。」
そこにジュースを抱えたクオが帰ってきた。
「リント、カイト、今日月食じゃねぇよ?」
「「は?」」
「いや、だから明日だって。新聞見てねぇの?予想間違ってたんだってよ。」
「…ここ見晴らしいいから、今年はここで見るか!!」
「じゃ、今度は俺が来るな。」
「おー、待ってる!」
あの流れ星は、誰だったんだろう。
もしかしたら、リントの夢だったのかも知れない。
fin.
コメント3
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ご意見・ご感想
黒初。
ご意見・ご感想
素晴らしいですね^^
思わず無言で見入ってましたwww
2011/06/22 22:00:25
檸檬飴
ご意見・ご感想
友情モノって難しいよね(^^;
リント可愛いww
コメ、遅くなってごめんm(__)m
2011/06/22 18:47:06
魔熊
ご意見・ご感想
なんて素晴らしい友情なんだ!
カイトが優しくてカッコいいんだけど(*^^*)
禀菟の文才ハンパない…羨ましい(>_<)
月食か…見たことないかも(^^;
2011/06/21 20:23:01