新しいカメラを買った
もうすぐ旅立つことになるこの街を
少しでも拾いたくて
僕を君をこの街を切り取って歩いた

初めはたった一人だったこの街は
僕がみんなが集まって 世界になったんだ

今は
僕がここにいたこと全て
データでもいいから残すんだ
時間切れになる前に
笑顔 景色 この街のなんでもないものの全てに
さよならを言うかわりに僕は
シャッターを切った


旅立ちのその日の朝は
全方位快晴で
出発日和だなあなんて
今日僕はいつもの服だけど
君は新しい服を着て見送りに来てくれた

僕にとって世界だったこの街は
今日からは一つの通過点に変わる

僕は
駅への途中 この街の
最後の空間を閉じ込めた
今日までの僕の世界だ
君は僕の隣にいて
いつも通りの顔をしてたような
『珍しいな、平気みたいだ』
そう思っていた


新幹線が出る5分前
僕のカメラの電池が切れた
きっとこれ以上 切り取るものはなくて
この街での僕も電池切れになったんだ

僕は
なにか気の利いたようなことも
ひとつも言えずに列車に乗って
カメラをしまって君を見てた
泣き顔で手を振った君が
ゆっくりと遠ざかる姿は
携帯のカメラもあった
だけど撮ってない

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

歌詞

閲覧数:211

投稿日:2014/05/30 00:27:18

文字数:511文字

カテゴリ:歌詞

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