一方の雅彦は、午後は児童養護施設のライブの練習に参加していた。ライブに関しては、施設側からライブを行う部屋のデータを送ってもらい、そのデータを元に仮想的に部屋を再現した上で機器の配置やワンオフのミクの動きを決めている。練習するミクを真剣な表情で見る雅彦。雅彦自身に課された役割は、基本的にはバースデーライブの時と同じである。雅彦自身はしゃがんでいた。会場となる部屋は平らで、雅彦が園児たちの手本となるために、最前列にいる必要があり、園児たちの身長を考えると、雅彦がしゃがんだ方がワンオフのミクを見やすくなるからである。しゃがみながらワンオフのミクの動きに合わせてペンライトを振ったり合いの手の確認をしていた。バースデーライブと比較すると、はるかに規模は小さいが、全員真剣である。
そうしていると、一通り曲が終わり、ライブが終了する。
「ミク、お疲れさま」
「雅彦さん、お疲れさまです」
「…お疲れさまです」
そういって二人に飲み物を渡す坂井。
「機器の類は問題ないかい?」
「今の所ライブに支障を来すような大きなトラブルは起きていないですね」
今回のライブでは、彼が機器運搬から設営、ライブ中の機材操作など一連の作業全てを統括している。
「安田教授の方は?」
「僕の方も動きと合いの手を確認したけど、大丈夫そうだね」
「…私はちょっと機器の調整をしないといけないので、これで…」
「うん」
そういって二人から離れる坂井。
「雅彦さん、午前中の神波さんとの話はどうだったんですか?」
「…僕が知ってる範囲の情報と、そこからの僕なりの推測は話したよ。…正直言って、かえって神波君を迷わせてしまったかもしれない。…僕も教授になって沢山の学生を見てきたけど、やっぱり、こういうのは難しいね」
雅彦の場合、意見を強制せず、相手の意志に任せることが多いので、反発を招くことは少ないのだが、押しも弱い。
「…大丈夫でしょうか?」
「うーん、彼の場合、高野君頼みになるかな…。僕より高野君の方が色々と分かってるだろうからね。…どちらにせよ、今の世界で誰とも関わらないというのはほぼ不可能だと思う。Pをやっているなら、曲の感想が好意的なものしか来ない可能性はそんなに高くないだろうからね。ファンとの接し方もそうだけど、P同士のつきあいも作風とかいろんなことが各Pで違うから、そこで色々とあるんじゃないかな」
「…ミクさん、お話中の所申し訳ないのですが、機材の調整が終わったので、もう一度通しでやってもらって良いですか?」
坂井が声をかける。
「分かりました」
「…よし、もう一回通しで行くぞ」
その坂井の言葉で、配置につく一行だった。
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