【ヴェノマニア公の狂気】 契約 【2次創作】

投稿日:2010/07/26 23:49:58 | 文字数:2,849文字 | 閲覧数:1,778 | カテゴリ:小説

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悪ノPさんの新作がエロかっこよかったのでつい・・・(語弊アリ
1時間もかけていないので誤字、脱字等ありそうです・・・見つけたら教えてもらえると凄く助かります。お願い事ばかりですいません。前作から見直してきます!全部繋がった時の気持ち良さ半端ないです・・・wまたもう少ししてからもう一度書こうと思います。・・・すいませんでした。

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TEXT
 

コツコツとヒールが絨毯を叩く音がして、少し戸惑ったように立ち止まった。
「・・・おいで?怖くないよ。」
僕の声を聞いて、ハッしたようにヒールの音が響き始める。
次はどんな娘なのだろう、髪の色は、肌の色は、目の色は、体の線は、名前は、歳は?
想像するだけでわくわくする―これだからやめられない。やめる気もないのだが。
控え目なノックの音が響いて、僕の返事を待つ。
「どうぞ、愛する人。」
入ってきた女は、白い肌をもつ少女だった。透き通る金髪に細い腰、薄い胸、澄みきった蒼い目。
「ヴェノマニア公爵様・・・お会いできて光栄です・・・。」
赤く上気した頬が柔らかに笑った。
「おいで、怖くないから・・・。今日から君は僕の妻だ。」
「はい・・・身に余る光栄・・・。」
本当にうれしそうに、かみしめるように言った少女は、そのまま僕に体を預ける。
引き寄せた体は細く、柔らかかった。少女からは、太陽の香り。

むせかえるような香水の香り。
隣の女からは薔薇の香りが、後ろからは安い合成された甘い香り。
そして膝の上からは透き通るような柑橘類の香りが漂ってくる。
緑の髪をした少女は甘えるように首に手を回してくると、キスをねだるように目を閉じた。
願いを叶えるようにキスを落とすとうっとりとした顔で少女は笑った。
「綺麗だよ・・・。」
嘘などついていない、心の底からの言葉だ。
これも、全て僕が生け贄と引き換えに手に入れた素晴らしい生活。
地下の部屋には光など差し込まないし、男は僕だけ。むせ返るような香水の香りと女の笑い声とキャンドルの淡い光。
僕の世界を構成するのはこれだけ。
少し遠くでワイングラスが割れる音が聞こえた。キャアっと悲鳴が上がって女たちが飛びすがる。
もちろん、縋る先は僕だ。
大丈夫とでも言い聞かせるように近くにいた髪を撫でると、うっとりした蒼い目が僕をみつめた。
この目で見降ろされた日々を僕は忘れないし、この女が忘れても消えることのない事実。
女―名前も思い出せない幼馴染は嬉しそうに首筋に手を回して、甘い香りを漂わせていた。
首にかかった薔薇とリボンに軽く口づけて、僕は笑う。
今日は、この子を抱こうか。

埃が積もった本を見つけたのは、僕が一人で泣いていた時だった。
自分が嫌いで、嫌いで。僕を笑った奴らが嫌いで、嫌いで仕方なくて。
僕が壊れそうになっていた時だった。
表紙は赤いビロード張りのようにツヤツヤとしていて、どこかおかしな感じのする本だった。
開いた本に僕は3日3晩夢中になることになる。
悪魔との契約は、よく覚えていない。なにか大事な物を彼に手渡して、僕の顔が変わった。
それだけの記憶。
大事な物が思い出せないことは少し不安だが―僕はそれ以上のものをに入れたと思っている。
僕はもう、変わる前の自分の顔を覚えていない。
肖像画や手紙、日記、変わる前の僕の痕跡は全て消した。
人の記憶だけが僕の手の届かない場所にあるのだが…そんなものは塗り替えてしまえばいい。
そうすれば、僕は生まれた時からずっと『僕』であったことになる。
紫色の気高い血が流れる、僕で。

安らかな寝息を立てる幼馴染を満足げに見つめる。
蹂躙されたはずの白い肌はなめらか。僕への忠誠と愛の証だけが赤く浮かびあがっている。
ああ、これが。
僕の望んだもの。
誰もがうらやむ美貌と、全ての女を夢中にする僕の容姿。
僕が欲しかったものはそれだけだ。
水を持ってきた赤い髪の女に軽くキスをして、一気にグラスを空ける。
ドアを開けた音で起きたらしいベットの上の彼女に微笑みかけて部屋を後にした。
もうすぐ、新しい花嫁がやってくる時間だ。
空は美しい紅。夕焼けに染まった空はガラス越しに燃えていた。
僕が地上に出るのは…といっても、外に出るわけではなく屋敷の地下から出るのはこの時だけだ。
お気に入りの女は同じように地下に連れていき、一緒に暮らす。
僕の好みに合わなかった女は―地上で夢を見ながら暮らしている。
僕に『愛される』夢。

今日はどんな女が来るのだろう。
髪の色は、肌の色は、目の色は、体の線は、名前は、歳は。
自然と笑みがこぼれる。これだ、これが僕の望み・・・願っていた事。
赤いじゅうたんを踏みつける音がする。ゆったりとした歩幅。浮かされたような雰囲気。
ノックは強い音だった。気の強い女なのだろうか?
「どうぞ。」
無言でドアの前に佇んでいた女は、ぺこりと一礼した。
「怖くないよ、おいで。」
微笑んだ僕の顔を見て、笑顔を濃くした蒼い目の女は―そのままゆっくりと僕の胸へ飛び込んでくる。
髪を撫で、顎を差し上げてキスを落とそうとした瞬間―

熱い感覚が僕のわき腹から広がって思考を麻痺させた。

「あがっ・・・!?」
「・・・ッ!」
力が抜けていく体を支え切れずに赤いじゅうたんでしたたかに顔を打った。
「な・・・にをッ・・・!?」
「は・・・悪魔・・・め・・・。」
金色の髪の女の口からこぼれおちた言葉は―男の声の呪詛だった。
思わず手を乗せたわき腹からは赤い色の液体―なんだろう、これは。
無理やり痛みの根源をなくそうと抗うと、腹に突き刺さったナイフが見えた。
急に頭が冴えてきて、僕が置かれた状況を理解する。
刺された。男に。

「う・・・うわぁああああ!!」

男が何か叫んでいるが、あまり聞き取れない。
金色の髪を無理にはぎとった男は青い髪を振り乱して誰かの名前を呼んでいる。
男に抱きついた女は―赤い爪をしたこの国の皇女。名前は―・・・名前は?
何故、何故僕じゃなく、あの男の方へ行くのだろう?
耳の傍で何かが囁いた。

「契約、終了だ。公爵。」

あああああああああああああああ、ああ!
やめてくれ、やめてくれ!!待って、まってくれ!!
どれだけ呼びかけても、隣にいるはずの何かは何も答えない。
後ろから沢山のヒールの音が響いてくる。
僕に目もくれず、一目散に眼の前の扉を開いて。
やめてくれ、僕の力は、力はどうなった?悪魔は?僕の犠牲は?
たっぷりの再会のキスを交わしあった皇女と男は笑いあって扉を出て行く。
待って、まってくれ、置いていかないで。僕から、僕から離れないで。
血と汗が混じり合って赤いはずの血が紫色に染まってゆく。
気高かったはずの僕の血。―おかしい、なにがあったんだ。
遠くなり始めた景色と音が、一層離れて行く。
後ろからカツカツと、ゆっくりとしたヒールの音が響いてくる。
暗くなりつつある頭を振って、無理やり見上げるとその先には―
彼女の姿。僕を笑った、幼馴染。
置いていかないで、まだ、ちょっとだけでいいから、まって。待ってくれ。
冷たい目をした彼女は僕を一瞥すると、扉を閉めた。
待って、まってくれ。お願いだ。まだ、メグ・・・メグ。待ってくれ。
今思い出したんだ。お願いだ。待ってくれ。

「まだ・・・君に・・・。」

愛してるって、言っていない。

なんか適当に色々してみようかと思うけどできないかもしれないダメな子
永遠の初心者と呼んでください。スキルアップマダー?

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