目を開けたのは、音が聞こえたからだった。

「……ん…、…もしもし……?」

 チカチカ光っている携帯電話が音を出している。目を擦って、夢現のままボタンを押し耳に当て、

「おいリン!!! お前今何時だと思ってんだ!!」
「!? …レン?」

 すぐに目が覚めた。

「何朝っぱらから……声大き…」
『黙れ馬鹿!! 時計見てみろ!! 俺が何回電話掛けたと思ってんだよ!! さっさと着替えて下りて来い!!』
「……はぁ? 時計?」

 かなり怒っているらしき幼馴染の声に首をかしげながら、近くにあった時計をみる。現在時刻8時12分。これが一体なんだと……、

「……はい?」

 もう一度確認する。8時12分。何度確認しても8時12分。…あ、今13分になった。
 ……そんなことはどうでもいい。ちょっと待てやコラ。バッとカレンダーを確認する。星型のマークがついてる日付は紛れもなく今日の日付だ。
 え、まって、……え? もしかしなくともこれって……っ!?

「ええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?!?!?」

 気づいたときには私は叫び声をあげていた。

「ちょ、ちょっとまって、レン!! 時間!! 時間~!?」
『やっと気づいたか!! お前初日から遅刻するつもりか!? 早く着替えろ馬鹿!!』
「ごめんなさい!?」

 急いで制服に着替えて家を出る。朝食なんて食べてる時間はない。
 外ではレンが自転車に乗って待っていた。かなり不機嫌そうな顔をしている。いや基本的にいつもつまらなさそうな顔だけどもっ!!

「レンおはよう待たせてごめんなさい早く行こう!!!」
「一気に言うな馬鹿。ほら朝食」

 そういって出されたレンの手には私の好きなみかんパン。さすがレンだ。

「ありがとー!!」
「飲み物はないから。我慢しろよ。30秒で食え」
「りょ、了解っ」

 口に一気に詰め込んで飲み込む。私が飲み込んだのを確認するとレンが自転車の後ろを無言で指差した。多分乗れってことだろう。私が後ろに乗り込むと、レンは小さく「出発」と呟いて自転車をこぎ始めた。

「速くするからしっかり掴まってろよ」
「うんっ」

 今日は入学初日。まさかの寝坊で遅刻寸前です……。



 私、こと鏡音リンは今日から高校一年になる。それはレンも同じだ。
 レンは私の幼馴染。私と同じ黄色い髪に青い目。苗字も同じ鏡音で、よく双子に間違えられる。別に双子じゃないんだけどね。
 レンは私の親の従弟の子供だ。簡単に言うと曾お祖父ちゃんが一緒っていうこと。つまりは私達の祖父母は兄弟って言うことだ。うーん。やっぱり解りにくいかな?


 私の両親とレンの両親はそれはそれは仲がいい。家を隣にしたのもすぐに会えるから、みたいな理由だったし。おかげで私には物心つくころにはレンがそばにいた。別に文句はないんだけどね。レンには色々と助けてもらっているわけだし。
 ……というか、レンがいなかったら私今頃どうなってたんだろう…。正直考えたくない。

「……リン、着いたぞ」

 レンの声が聞こえて、顔を上げる。周りには登校している生徒がいた。
 前をみると、今日から私達が通う学校。

「え? あぁ、ありがとーっ!! レンのおかげで遅刻しないですんだよー 助かったぁ」
「本当俺様々だな」

 あはは、と笑いながら自転車をとめて校舎内へ向かう。

「あ、リンストップ」
「へ?」

 振り向くと、急にレンの手が私の髪に触れた。

「髪、ボサボサだぞ。軽く直すから止まってろ」
「え? あぁ、ありがとー。でもいきなり乙女の髪を触るとは…関心しないぞわたしゃ」
「どこに乙女が……ゲホっ」
「死ね」
「お前今本気で蹴っただろ!」
「いやいやいや、私の本気はもっと痛いよ? 受けてみる?」
「お断りします。すいませんでした」

 よろしい、と言ってから黙る。
 レンが手櫛で私の髪を梳く。こうやって触られるのは嫌じゃない。

「……よし、できた」
「サンキューレン。それじゃいこうぜー」
「…はいはい」

 駆け出して校舎へと向かう。もうすぐ入学式が始まる。あぁ楽しみ。今日から、始まるんだ。私の高校生活が。


 上を見ると、綺麗な青空が一面に広がっていた。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

学パロ1 鏡音リンとその幼馴染

学パロでシリーズものです。
最初はリンのお話。

暇つぶしにでも読んでもらえたら嬉しいです。

ちなみにタイトルは変えるかもしれません。

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閲覧数:1,158

投稿日:2012/07/21 09:00:45

文字数:1,755文字

カテゴリ:小説

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