嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼。神様神様かみ、さま。
私は間違えていたのでしょうか。
それは一体いつから?
…いいえ、きっと、もう、最初からなのでしょうね。
( お詫び申し上げます、候 )


#side-R

今思い返せば、お母様もお父様も何処か可笑しかった…いえ、歪んでいた、のほうが正しいでしょうね。
兎に角、お父様達はどちらも聡明でお美しかったのだけれど、誰も寄せ付けない様な雰囲気をお持ちになっていらっしゃいました。
ですから、私はいつも、双子の弟であるレンと、二人っきりでままごとや鬼ごっこなどをして遊んでいたものです。
其れに対して、幼心に何処かつっかえの様なものを感じながらも、私はレンと片時も離れることもないままに、幼少期を過ごしました。
それすら、思い返す度に、お父様達の陰謀で在ったのではないかと不意に思うことがあるのです。
嗚呼、陰謀…は言いすぎでしょうか。
そうですね、策略、くらい…いえ、もしかしたら唯の悪戯の様なものだったのかもしれませんね。
いずれにせよ、私もまた、背徳と言う名の甘美な蜜に誘われてしまったのですから。

*side-L

まるで甘い蜜のようだ、と。
幼心に抱いた感情を僕は忘れることなど出来ない…否、許されないのです。
あの日は、雨が降っておりました。
やけに肌寒く感じたのを今でも覚えています。
僕は喉に渇きを覚え、水を飲もうとダイニングへ向かっていました。
しかし、父上たちの部屋から灯りが漏れていることに気づき、ふと其処から覗いてしまいました。


「、は、…お兄様…」
「可愛い、私の妹…」

熱く甘い口付けを交わし、やがて二人は…、
視界に入る其れが緑と青で有り、また自分自身の肉親で有ると云う事と、彼らが発した言葉の意味に僕は酷く愕然としました。
嗚呼、父上達に、などではないのです。
ふと理解したその瞬間に姉であるリンが浮かび、自分のものにしたいと云う欲望について、僕は酷く愕然とし、また背徳的な甘美な誘惑に誘われていったのです。

部屋へと戻った僕はリンと接吻を交わしました。
触れるだけは勿論、その先まで。
唇を離した瞬間僕には彼女しか映ってなどいなくて、彼女もまた同様に僕だけだったのです。
もしかしたら、あれも父上達が仕組んだものだったのかもしませんね。
今となってはもう、疑う意味すら持ちませんが。
兎に角、あの誘惑に僕はすっかり負けてしまい、彼女と共に溺れていったのです。
彼女の瞳に否定的な感情が浮かんだことは、一度としてありませんでした。
彼女もまた、罪に溺れたものだったのです。


//

あら、逝ってしまわれるのですね。
肉親同様に、また最期まで同じ運命を辿るとは、思いも致しませんでした。
後悔などといった感情は浮かびもしないあたり、どうやらこの人生は幸せであったようだと、思うのです。…嗚呼、お泣きにならないで。これは別れ等ではないのです。
また、直ぐにでもお逢い出来るでしょう。
その時まで、今は暫しの休息を。


=cantarella...

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maybe..

リンレンverのカンタレラからの妄想で(ry

閲覧数:194

投稿日:2010/02/15 15:55:37

文字数:1,261文字

カテゴリ:小説

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