『涙彩絵具』

水彩絵具みたいな空
まるで偽物みたいだ
怪我をしたあの子は美術部だったな

鍵のかかる屋上
見慣れない三階の廊下
第二美術室の陽だまりを避けた席
すすり泣く横顔を美しいと思った

伸びた髪が揺れる
真下でピストルが鳴る
賞状を破り始めた姿から
目を逸らすことだけは出来ないと分かった

青い絵の具に涙は落ちた

灰色の空を君は塗り替えてく
グラウンドのノイズも青に溶けてゆく


シングルベッドを歌う
下手くそな子守唄
僕さえいなければ煙と吐き出した
揃いの蝶がここを虫かごに見せた

あの日もしも鍵が
穏やかな海を眺める
病室のベッドで目覚めた時に
ひたすらにさよならを繰り返してたらしい

青い季節が終わりを告げた

振られてあげると君は笑っていた
生きろと震えた声が赤に溶けるまで

流れた街で流れた月日流れてきた報せ

ブレザーの少女が個展の案内をする
「早すぎる」誰かが嗚咽を漏らすけれど
目を逸らすことなく説明を続ける

赤く染まる目に面影が宿る

本物の空を僕も憶えている
最後の作品は描きかけの美術室

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

涙彩絵具

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投稿日:2026/05/07 18:12:58

文字数:466文字

カテゴリ:歌詞

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