ちょうちょう　ちょうちょう　菜の葉にとまれ
菜の葉に飽いたら…

黄ノ片羽をもつ　幼い蝶達
ひらりひらり　一緒に飛ぶその姿は　仲良しな「双子」
今日も　菜の花へ手を繋いで行く

しかし２人　菜の花の黄色に目もくれず
追い求めるは　互いに持つ　黄色い「羽」
「あれがあれば　１人で飛べる」と毎度毎度狙えども
簡単に奪えるはずもなく

互いの片羽　視線を向けて　２人は今　何を思う？

「ああ、ちゃんと２枚　羽があれば…」
声に出したところで　羽が増える訳でもなく
だから２人は考えた　「ならば奪ってしまおう」と

２人は静かに本性を現す　そして静かに動き出す
瞳に映るは「狂喜（狂気）」のみ　「悲しみ」「愛情」…　全て殺した

互いに「身体」を傷つけて　互いに「精神」を傷つけた
そして２人は気付かない　その「羽」を　「舞姫」が狙っていることを

やがて２人は掴み取った　同時に互いの片羽を
「やっと１人で飛べる…」　嬉しさで　心は弾む

突然　「羽」は奪われた　ひらりと舞う　「舞姫」の手で
呆然とする２人の顔は　ああ　やはり「双子」

２人の姿　壊した「羽」　無くなった今　何を思う？

ちょうちょう　ちょうちょう　菜の葉にとまれ
菜の葉に飽いたら…　全部亡くした…　