壱。
ほら、あちらの彼の岸
紅い曼珠沙華が揺れる
ほら、こちらの此の岸
蒼い雛罌粟もなびき揺れる

ほらほら、あちらへ?
ほらほら、こちらに?
「ホラホラ、これが僕の骨――」

愛してる、だなんて
たやすく云うんだ人間は
嗚呼
現世はこんなにまでに
汚れつちまつた哀しみの海


弐。
ほら、あちらの彼の岸
白い手首が招いている
ほら、こちらの此の岸
黒い長髪もなびき囁く

ほらほら、あちらへ?
ほらほら、こちらに?
「ホラホラ、これが僕の骨――」

愛してる、だなんて
わけなく云うんだ人間は
嗚呼
前世はあんなにまでに
在りし日に生きた一つのメルヘン


間。
キット僕ハ現世不適合者
死後ノ楽園ニ片足突ッ込ンデマス
入園許可証ハ必要デスカ?
全テヲ現世ニ置イテ来テシマイマシタ
僕ノ死亡証明書デスカ・・・?


「ホラホラ、アレが僕の骨――」


終。
愛してる、だなんて
たやすく云うんだ人間は
嗚呼
現世にほとほと愛想がついたよ

愛してる、だなんて
わけなく云うんだ人間は
嗚呼
来世はきっと、そうきっと
またしらじらと白い骨の成り果て。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

『骨』 *

別に、現世がほとほと厭になったとかではなく
ちょっと課題と蒸した京都の気候に嫌気がさしたので、気晴らしに・・・

好きでもなく嫌いでもない、中原中也を題材にしてみました
以前、課題で『骨』という詩を扱ったことがあったので
あの意味の分からなさを、掻い摘んで使えたらなと思いました
実際使ってるのは一文と、他の詩のタイトル三つくらいなんですけど・・・
それに、意味不明さが、さらに自分の脚色で、もはや無秩序な世界を構築する惨劇になってしまいました。失望する!

何かを目指して書いたわけでもないので、書き散らかした具合を、個人的に楽しむ産物ですね
目的地もないのに、歩き続けて、「何したいんだっけ?」と思い返すみたいな・・・迷子?
こんな理解不能な、近現代詩の低迷みたいなものがあったって、いいかなと。今、思いました。今;


縹渺さんに使っていただきました
ありがとうございます。

閲覧数:1,177

投稿日:2009/07/13 21:54:03

文字数:476文字

カテゴリ:歌詞

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