次の親戚の家にからんからんと下駄を鳴らしながら歩いていった。
早く春になってほしいものだと、秋になりかけの季節に願う。

意外にも早く親戚の家についた。
結構家は大きかった、が。
あまり住みたくはない雰囲気がそこらじゅうに漂っていて、入るのに少し戸惑った。

「あ、KAITO君ですか?」
「あ、はい。これからお世話になります」

ペコリと頭を下げながら言葉を紡ぐ。

次の親戚の人も、優しかった。
だけど、笑顔を貼り付けているような顔で思わず吐きそうになってしまったのは内緒である。

なんの不自由もない。
何の不自由も。

平和で平和で平和すぎて、この生活のこともすぐに忘れてしまいそう、だ。
なんとなく自分の片方の手が震えていたので、もう片方の手でぎゅっとにぎった。

「奥さんはいつもお綺麗ですね」
「あら、そうかしら?」
「お父さん、お仕事お疲れ様です。お父さんが頑張っているからこの家があるといものですね」
「はっはっは!そうだろう」

急場しのぎで歯の浮くセリフを貼り合わせるのがこの頃、少し大変だ。
この人達をいなくなるようにすれば、僕は自由の身だろうかとほんのりグロイ夢に、どっぷり漬かった甘ったるいダメ脳内があんまり働かなくなった。


からん からん。からっぽのラブソングを部屋で投げやりに歌う。
前の家に帰りたいという、本当の気持ちを隠すように。
でも、僕みたいに皆まともじゃないからね!
少しまともな人の心を僕の心にダビングしたいな。



ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

からっぽのまにまに 自己解釈 2

ピノキオP様の「からっぽのまにまに」という歌を自己解釈で書いてみました、第二弾中編です。駄文ですが、よろしければ読んでみてください。
あと、今回は少し昔っぽい感じですので、ご理解お願いします。

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投稿日:2011/04/03 12:04:20

文字数:634文字

カテゴリ:小説

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