犯人の物語―ナゾトキ・ナゾカケ・ぼくにピアノを弾かせて(プロローグ①)―

投稿日:2011/05/05 09:51:54 | 文字数:1,875文字 | 閲覧数:428 | カテゴリ:小説

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かの有名なひなた春花さん(http://piapro.jp/haruhana)の名作ナゾトキ(http://piapro.jp/t/1XmV)・ナゾカケ(http://piapro.jp/t/WzK5)・ぼくにピアノを弾かせて(http://piapro.jp/t/Trb-)をまとめて小説にしてしまおうという個人的な野望をとうとう形にしだしてしまいました。
あえて、ひなた春花さんのHPにあるという小説は読まずに完全自己解釈で書いていこうと思っています。(書き終わって照合して違いを反省する企画と…)
僕自身、この物語の深層におそらく入りきれていないので、おそらく自己解釈にもなっていない自己解釈になってしまうと思いますが、お付き合いいただけると幸いです。


続きはこちら(http://piapro.jp/t/xwQ0

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TEXT
 

ある街はずれの洋館。海岸の傍に立つその建物はかつて貴族の屋敷として建てられ、現在は豪勢な図書館となっている。しかし、かつてそこは…ある凄惨な事件の舞台となった場所でもある。


ギィィィィィ…

何年ぶりに扉が開かれたのだろう?一人の少年が洋館の入り口に立っていた。あの凄惨な事件のせいだろうか?いや、そうに違いない。私が生涯をかけて作り上げたこの図書館に足を運ぶ者はほとんどいない。別に私はそれを気にも留めていないのだが…私は飲みかけの紅茶を飲み干し、面倒くさそうに少年に視線を向ける。

コッコッコッ…

少年は挨拶もなしに、彼の年頃が履くには少し高すぎるような革靴の音を響かせて私の机の前まで来た。

「…いらっしゃい。」
館長という立場上、心にもない歓迎の言葉を冷めた目で口にせざるおえない自分をあざ笑いながら、私は彼の目を見る。

「はじめまして、館長さん…突然押しかけてすみませんが、例の事件の調査をしたくて参りました。僕は、鏡音探偵事務所のレンと申します。」
意外にも礼儀正しい少年の態度に若干驚きつつも私はため息を一つつく。物好きなものだ…半世紀以上も前に起きた怪事件の調査をしたいという者がまだいたとは…しかもまだこんなに若いのに…

「…分かりました。それでは書庫にご案内しましょう。」
書庫というのは、この玄関ホールの奥にある、かつての大広間のことだ。そして、あの事件の舞台となった部屋だ。私は机の引き出しから鍵を取り出し、携帯ケトルを取りあげて重い腰を上げる。この歳になると立ち上がるだけでも重労働だ。

コッコッコッ…

よろよろと歩く私の後ろをあの少年はまたも革靴の音を響かせながらついて来た。書庫の扉に鍵を差込み、私は振り返る。

「ここから先は、貴重な資料等もございますので手袋の着用をお願いできますか?」
そう言った私も実ははじめから薄手の手袋していた。少年は私に見えるように両腕を挙げ、自分も手袋をしていることを私に示した。さすが探偵を名乗るだけのこともあるのだろうか?私は僅かに頷き、扉を開いた。

ギィィィィィ…

こちらの扉も何年も開けていなかったので、ひどく軋んだ。

コッコッコッ…
革靴の音を響かせながら、私たち二人は書庫へと入った。私が明かりをつける。幸い電気はまだ生きていたようだ。書庫の中…そこは東西南北全てに本棚がびっしりと並んでいたがそれだけで、中央には大きな空間が広がっていた。図書館と呼ぶにはあまりにもお粗末なものだった。奥には何年も調律していないピアノ、入り口の脇には司書机が置かれている。私は「ご自由に。」と少年に声をかけ、その司書机にいそいそと向かいどっぷりと腰掛ける。そういえば、この机に座るのも久しぶりだな。感慨にふけりながら、机の上の埃を払い、持ってきたケトルから紅茶を出して飲み始める。その間にも少年は、指紋の採取セットや部屋に残る靴型を調べだした。
半日が過ぎた。いや、私がそう感じただけかも知れない。なぜなら私の持ってきたケトルの中の紅茶が残り僅かになってきたからだ。もしかしたら、私が常人より紅茶を飲むスピードが速いだけなのかもしれないが、部屋に入ったときには確かに紅茶は半日、優にもつであろう量入っていたのである。しかし少年は一向にめぼしい成果を上げているようには見えなかった。それもそうだ。何しろあの事件からは既に半世紀以上が経っている。時の風化があってしかるべきなのだ。しかし、少年もそれは周知の事実であったようで、今も黙々と作業を続けている。見かねた私が少年に声をかける。

「君が本当に真実にたどり着きたいならば、私は床ではなく本を調べることをお勧めするがね。」

「本…ですか?」
いったん手を休め、腑に落ちないという顔で私の目を見てくる少年に私は僅かに頷く。

「例えばこれなんか…」
私は、背後にあった本を中指の間接でつつく。その背表紙には「ぼくにピアノを弾かせてと」書かれていた。少年は私を疑うように見た後、その本に手を伸ばした。
この部屋には、なんと不親切にも椅子がない。訂正しよう今私が座っている以外の椅子がない。少年は周りを見渡してそのことに気づくと私を恨めしそうに見た。それに私が微笑みで返すと、彼はあきらめたように床にあぐらを掻いて本を開いた。
うん?なぜ少年に親切にもヒントを与えたかだって?気まぐれだよ。気まぐれ。それにこれが本当に親切とは限らないしね…とにかく、私はインスタント紅茶の残りがあとどのくらいあるのかが一番気がかりだった。

ボカロ二次は一次サイトには載せられませんからね(笑)

ほのぼの、のんびりと作文の日々…
わかんないことやさしく教えて頂けるとうれしいです。

出没時間→イロイロ
出没頻度→程々
出没分野→小説と時々塗り絵
出没キャラ→レン:リン:その他=8,5:1:0,5
出没傾向→どこかにあきらめのある、達観したみたいな物語。尊敬する囚人Pさんの言葉を引用するして「退廃的な世界観」です。
気に入ってる自作品:master of the court(http://piapro.jp/t/Vq9u

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