何回目の重ね塗りを施した
僕の未完成な気持ちどこに向ける？
誰のため？君のため
誰のため？僕のため
間違ったものは
正しく直すべきだと

この色はあの人が
この色はこの人が
正しいんだと正しいんだと
言っていたから

僕の心に他人の色を塗って
世界の一部に変えてみる
はみ出さないように外れないように
筆を動かす
最初の色は何色だか
もう見えなくなったよ
これが世界の色だ

何回目の重ね塗りを施せば
僕の未完成の気持ちは描き終わる？
誰のため？僕のため
誰のため？僕のため
色違いは
同じく塗り潰すから

この色はあの人が
この色はこの人が
これなんだとこれなんだと
教えてくれたから

僕の心に別の色を塗って
僕の一部に加えてみる
はみ出さないように違わないように
筆を動かす
最初の色は透明だったよ
もう消えないよ元には戻れない
僕自身の色は何色なのか
聞く耳だけ立てて無視してしまう
転がった筆は足元に