彼岸に忘れた宝物
さらば友よ今すぐに ここから消え去ってよ
紅く色を増した悲願の花
灰色空白むこの街の
人目もつかぬ廃屋裏で
ずっと来るはずのない未来を見ていた
もしこうだったらなの話を
繰り返してるだけの時間は
僕らに「生」を問う
君の血の色に似ついている
この花に不吉さが滲んでいる
でも君はこの花を好きだという
生きているみたいで
今生きてる幸せに 気付きたくはないから
ぱっと息を止めていたかった
揺蕩う僕らは夜に 凛と咲く彼岸花
踏まないように歩いていく
古ぼけた駅に咲いた花を
束ねた輪っかで君を飾る
嬉しいと君は泣いていたっけ
触れればすぐ壊れてしまいそう
だから守る術をさがしてた
傷はもう慣れたから
どうせ消えゆく命ならば
この花の熱い毒に溶かされていたい
夕暮れの水彩が色を足して
空が滲み出した
命という鎖に 縛られて動けない
この月が魅せる夢は 儚いものだった
命という鎖に 縛られて動けない
もしも生まれ変われたら また君を愛するよ
最後の言葉を
どうせ消えゆく命だから
先に死ぬ僕なんて忘れてくれ
誰もいない悲しみもない場所へ
僕は旅に出る
夏が終わるその前に まだ君といれるなら
その手を引いて側にいられるのに
悴んだこの心は 何も感じないまま
巡る
さらば友よ今すぐに ここから消え去ってよ
きっと許されることはないけれど
何もない僕は今日も 満開の彼岸花
踏まないように歩いていく
最終列車は進む
また今日が終わりを告ぐ
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