銀色の舞台の上で ひそやかに踊る
彼女はとても儚げな 人形のようで
とても遠いその場所から 深く澄んだ瞳(め)で
まだ幼かったわたしを そっと手招いた

彼女が見上げてる 視線の先の風景を
同じ場所に立って 眺めてみたいと思ったの

 彼女みたいになりたいと 心の底から願って
 遠くの空に向かい この手を伸ばした

白い息の向こう側に 見た夢のありか
知らないことばが溢れる 真冬の街角

じっと見つめていた 冷たい川のその底に
夢の扉開ける 鍵があると信じていたの

 この手にそっと抱きしめる たったひとつの未来図(パズル)には
 ひとりじゃ埋められない ピースがあるから
 彼女みたいになりたくて 引きかえにしたものもある
 そのすべてを守って わたしは踊るの

生まれ育った街も たくさんの友達も
遠く離れたけれど 後悔なんてしない


扉開ける鍵は 突然目の前で消えて
そして残ったのは かすかなこころの痛みだけ

 この手を静かにすり抜け ほんの少しだけ彼方へ
 離れていった夢が 手を振って笑う
 彼女になれなかった夜 見上げた空に降る星は
 ひとつの旅の終わり そっと照らしてる

 まだ終わらない夢を そっと見上げてる
 

この作品にはライセンスが付与されていません。この作品を複製・頒布したいときは、作者に連絡して許諾を得て下さい。

エレーナになれなくて

バンクーバー五輪を見ていたら、
どうしてもフィギュアスケートをネタにして作詞したくなったので、
がっつり「3部作」として書いてみました。

本作は、その「3部作」1本目で、
ペア・ロシア代表の川口悠子をモデルにした詞です。

身ひとつで異国へ渡り、夢をかなえたその強さと、
でも夢の「終着点」にほんのちょっとだけ届かなかった悲しみと。
そのふたつを織り込んだ詞にしたつもりです。


「フィギュアスケート3部作」その他の作品はこちら。

 3部作その2「Dreams Are Still Going On」
 http://piapro.jp/content/r375zynrqj3ihfqn
 3部作その3「ふたりのシンデレラ」
 http://piapro.jp/content/lgvdbuiy8ca21kwm


[2011/01/31追記]
さいるさんに曲つけていただきました。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm13451521

[2011/04/08追記]
mp3うpされました。
http://piapro.jp/content/bshq0vvltfs0tk6e

[2011/04/27追記]
ライナーノーツ公開しました。
http://mak-kanzawa.seesaa.net/article/197966101.html

閲覧数:267

投稿日:2010/05/08 10:20:40

文字数:522文字

カテゴリ:歌詞

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