「ねえ、友達になりませんか?」
なんて呟いてみる。
その瞬間、世界は色付き始めた。
そして、世界が踊りだした。
それはまるで、空にかかる虹のように。
楽しい日々、離れることが想像できないくらいに。
可笑しい話、始まりもすごく単純だった。
その声を、ずっと聞いていたかった。
やがて君は―――
「ねえ、恋人になりませんか?」
なんて呟いた瞬間に、
胸が高鳴り、頬が赤くなる。
笑顔の君とふたり。共に歩きだそうとしてみる。
夢のような時間が目の前に広がる。
風前の灯ということは知る由もなく、
思い出は確かに心で輝き、
その光が嫌になるくらいに、
それでも、どうして。
どうして、私は。
あんなことになってしまったのだろうか。
それなのに、そうして
そうして、君は。
ここから離れてしまうのだろう。
ねえ、このままでいいのでしょうか?
このままでは嫌ってしまう、
あのままでは嫌ってしまっていた。
そんなのは望んでいなかった。
こんな結末になるくらいなら、
今思ってもどうにもなりはしない。
後悔ばかりが募るだけであった。
もし、やり直せるなら
次はもっと上手に、慎重に、ゆっくりと、
でももう終わりにしよう。
そう思いついたとき、口からその言葉は漏れ出していた。
「ねえ、友達になりませんか?」
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