#2 人類最後の希望


____ッ!!
光ってたのはほんの5、6秒だった。
隕石が衝突して無事でいられるハズがない。
でも…

カナタ「あれ…?」
ミク「生きてる…?」

しかし、この後どう動くか、すぐに分かった。この山の麓で爆発音がしたのだ。
カナタ「!! 街の方がなんか騒がしいな…」
ミク「行ってみよう!!」
私は、カナタを引き連れて街へ急いだ。無意識に手を繋いでる事も気付かないまま。

_______________

ミク「何…? 何が起きてるの…!?」
カナタ「これは…ッ!!」
情報を得ようと駅前のスクリーンを見に来ると、画面がボヤけて何も見えない。ノイズ音が走るだけ。移動しようにも、電車どころか周りの車ですら動かない。動いてるのは、人間だけ。
ただ一つ分かるとすれば、只事で済む話じゃない、それだけだった。
ミク「停電…?」
カナタ「いや、そんな規模じゃない!!」
カナタには心当たりがあったようだ。
カナタ「一旦スタジオまで走るぞ!!」
訳が分からぬまま、今度はカナタから手を引いて走り出した。
____一足早く行動を開始した2人を見ていた謎の人影があった____


カナタ「…ここだ、おやっさんなら何か掴んでるハズだ」
ミク「え!?プロデューサーが!?」
実際歩いて行ける距離ではあったものの、道を照らす街灯が全てお釈迦なのでカナタの脳内マッピングに任せた。
ここは音楽スタジオ。と言っても全国屈指の大規模なスタジオだ。ただの音楽活動を全力でやってもここまでの敷地を必要とはしないし、立ち入り禁止の部屋やフロアが多すぎる。何か音楽活動以外の目的で使われてるのでは?と前からカナタは言っていた。
カナタ「まずおやっさんの所に行くのはいいが、よくよく周りを見ておけ。何か変化があるかもしれない」
ミク「分かった。でも二手に分かれるとか言わないでね」
カナタ「当たり前だ」
中に入って見た。何故か人が居なくて、まるでホラーゲームの病棟のようだ。
ガタタッ...
カナタ「ッ!!誰だ!!」
物音に敏感なカナタがすぐに反応した。しかし、ゴミ箱が並んでるだけ…ん?
ミク「カナタ、これって…」
ゴミ箱がカタカタ揺れていた。
カナタ「このゴミ箱の蓋ってこんなだったっけ…?」
ミク「開けてみようか…」
ヒョロっと伸びた取手のような何かを掴んで、大根を引っこ抜くかの形相で引き上げたら…


スポーン…
ミク「いてっ」
ギャグマンガの如く豪快に尻餅をついた。
カナタ「大丈夫か!?」
ドサッ…
ミク「モゴ…」
そして落ちてくるゴミ箱の蓋…(?)
カナタ「なんだ!?何この生き物…? いや、生き物なのか…?」
ミク「エ?ゴゥムボォゴヌブダズァヌギノ!?(え?ゴミ箱の蓋じゃないの!?)」
やっとゴミ箱の蓋(?)を顔から引き剥がすと…

ミク「…え!?///何この可愛い生き物!?///」

先程ゴミ箱の蓋と勘違いされたが、よく見ると鍵盤みたいな楕円の円盤の上に乗った青くて丸い頭から、ハテナの形の角のような何かが生えている。円盤の下には、オタマジャクシのような尻尾、そして何故か可愛い奇妙な生き物と遭遇した。

???「ええと…助けてくれてありがとう!! ボクはメロピィ、このスタジオに溢れる音に取り憑いた、音符の付喪神だよ」
ミク「本当!?凄い!!私、初音 ミク、このスタジオで歌手をしてる高校生です!!」


カナタ「…しっかしこんな事あるもんだなぁ… ゴミ箱に付喪神が捨てられてるって、どこのファンタジー小説のシナリオだよ」
ミク「え!?捨てられてたの!?」
メロピィは少し落ち込んだ面持ちで、
メロピィ「自分であんな所入りたくなんて無いよ… さっきここで乱暴してた誰かに無理矢理あの中に突っ込まれて固定されて抜け出せなくて、引っこ抜かれた時凄い痛かったよ?」
ミクもそれにつられて落ち込んでしまう。
ミク「あ、その… ゴメン」
頑張って顔色を明るくして、
メロピィ「まああのままゴミ箱の蓋として生きていきたくないし、謝る程じゃないよ」
カナタ「ちよっと待った、その乱暴してた奴って誰だ!?」
メロピィ「うーんと… スタジオでは見ない顔だったなぁ…」
ミク「あ、そうか。ここで音として生まれたからここの事色々知ってるんだね」
カナタ「とにかく、そいつは今回の謎の隕石に関係してるかもしれない。なんかよく分からない手掛かりも一つ入手したしおやっさんの元へ急ごう!!」
ミク「そうだね!!メロピィ、ついてきて」

私達は事務室に走った。


ガチャ…
慎重にドアノブを押し、中を確認する。
???「そんなに警戒しなくても、私1人しか居ないよ、安心しなさい」
プロデューサーは色々見透しているかのように私達に声を掛けた。しかし私が少し驚いて慌ただしくドアを全開にしてしまった。
「し、失礼します…」
プロデューサーの名前は 夜竹 司郎。私とカナタの直属のプロデューサーであり、このスタジオの所長。カナタは「おやっさん」と呼んでいる。なんでも、私の歌声とカナタの奏でる音を気に入って自分でステージを企画したりしたとか何とか。デビューの際の恩人でもある。
プロデューサー「私が知ってる限りの情報を君達に託す。この先、この変わり果てた世界を生き抜く為にもよく聞いておきなさい」
ゴクッ…
"生きていく"…? "変わり果てた世界"…?絶対に何か知っている、というか私達が来るのを待っていたかのように、話を始めた。

プロデューサー「私達はこのスタジオを拠点に、表向きでスタジオでの音楽活動と称して、とある研究を進めていたのだ」
ミク「研究…?」
プロデューサー「あの彗星への対抗策だ」
カナタ「な…ッ!!」
こうもあっさり答えが見つかるとは思えなかった。
プロデューサー「あの彗星は、この世界にあるありとあらゆる音の波長を狂わす。狂った音に次第に意識を宿し、怪物へと姿を変える事もあるまでに。例えるならば…」
プロデューサーは窓の外を指差した。
ミク「あれは…!!」


いつもミクが立ち寄っている八百屋さんが、何か大きな怪物に襲われていた。その姿はまるで…
カナタ「…カボチャ?」
プロデューサー「そうだ、あの店に並んでたハズのカボチャが彗星の影響で狂気化した、ただそれだけだ」
ミク&「!?」
信じられなかった。彗星の正体に近づけたものの、あまりにも恐ろしい光景だった。
ミク「助けに行かなくちゃ…ッ!!」
カナタ「待てミク、どうやって助ける気だ!!」
ミク「分かんないけど、じっとしてられない!!」
カナタ「もしかしたらあのカボチャを倒す手段がおやっさんの会話の続きにあるかもしれないだろ!!」
カナタは冷静だった。いや、私が冷静さを欠いていただけだ。
カナタ「おやっさん、どの道時間は無い、移動しながら、奴を倒す手段を先に教えてくれ!!」
プロデューサー「…いいだろう。これまでの研究の成果をあのカボチャに見せてやろう。奴を倒す為には…」

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

【ミクコレ★歌声の秘密】#2「人類最後の希望」

皆さんおはこんばんにちは、@okkyのミクコレ実況チャンネルです!
前回に引き続きpixivの二次創作小説第2話を転載させて頂きました
これからも応援_|\○_オネガイシヤァァァァァス!!

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投稿日:2018/03/05 16:14:10

文字数:2,874文字

カテゴリ:小説

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