雪も凍る世界にいるの
逃避の末に辿り着いたの
氷の華の覆う丘で
彩の嵐を待ち望んでいる



香り無き雪の沙を
見降ろし高く飛ぶツバメ
お前のいるその空からは
地平の果ては見えるか

氷の河で水を汲んだ
悴むこの指では
貴方の笑顔の温もりさへも
なぞることは叶わぬでしょう

雪も凍る世界にいるの
貴方の声を恐れ逃げたの
凍り墜ちた太陽にのぼり
新たな影を待ち望んでいる

一輪、また 一輪と摘んだ
枯れることのない アマランス
終わることのない哀しみを
伝えるように 白く



橙の部屋 焚き木の匂い
わずかに遅れた古時計
窓の向こうにつもる雪も
この時はまだ暖かかった

怖れることは何もないよと
微笑んだ貴方の目が
本当の私を見つけることが
何より怖ろしかった

雪も凍る世界にいるの
さしのべる手を怖れ逃げたの
白い息は貴方を描いて
触れることも能わず消えてゆく

一色の夢もない世界で
神経が貴方を求めてる
「逢いたい」と遅すぎた願いを
祈りのように抱いて



雪のとけた世界にいたの
貴方の愛に甘えていたの
誰もが皆やさしすぎて
抗うことも出来ず逃げたの

雪も凍る世界にいるの
イカロスの陽を怖れ逃げたの
凍り墜ちた太陽にのぼり
彩の嵐を待ち望んでいる

一輪、また 一輪と咲いた
枯れることのない アマランス
終わることのない哀しみが
枯れるその日まで 白く

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

百億の昼と千億の夜

閲覧数:164

投稿日:2010/01/13 23:30:03

文字数:589文字

カテゴリ:歌詞

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