レンリン注意。
捏造注意。
悲恋注意。
注意ばっかりすいませんです><
「あけましておめでとー!!」
と、狭い部屋にリンの声が響いた。
電波時計は、AM 12:00 01秒を示していた。そこら辺しっかりしてるな。
「おめでとう」
近所迷惑を考えないのか、と思いつつも、俺は小声でリンの“おめでとう”に返事をした。
リンは勢いよく「おめでとー!!」なんて言いやがったのに、それから大人しくなってしまう。
いきなりしおらしくなって、一体どうしたというのだろう。
せっかく「おめでとう」って返したのに。
「おい、リン。さっきの勢いはどうした?」
ちょっと不安になったので訊いてみる。
もしかして体調が悪かったのに無理して俺の部屋に来て、あけおめを言いに来たなんて馬鹿なことを言うんじゃないんだろうな。
「あたし達……ずっと双子だよね?」
「………は?」
いきなり何を言い出すのかと思えば。
やっぱ馬鹿なことか?
「当たり前だろ? 何だよ急に」
「次の年もその次の年もその次の次の年も……ずっと双子、なんだよね?」
「…………」
俺は、その言葉に思わず黙り込んでしまった。
深読みなんてするわけでもない。すぐに分かったからだ。
“双子”だから、“結ばれない”。
生身の人間の姉弟同士が結ばれないのと同じ様に、ボーカロイドでもそれができないらしい。だから、俺達や他のボーカロイド同士も恋愛感情をお互いに芽生えないよう、設定してあるらしいのだが。
俺達は、お互いに恋をした。
はじめ、俺は“恋”というよく分からない感情に戸惑っていた。哀しくもその感情を向けてしまう俺の“姉”であるリンに尋ねてみたら――「あたしも一緒だ。あたしもレンにそんな気持ち、抱いているの。それはねレン――“恋”っていうんだよ」
俺達は喜び、そして絶望した。
ボーカロイドとして、“恋”に関する歌を歌ったことは数回あった。“恋”をしてからはその歌詞に自分を重ねてしまうことも度々あった。
歌を歌った中で“兄弟同士での禁じられた恋愛”のような歌詞もあった。
兄弟同士で恋愛なんて――と思っていたのに。
その歌を歌った途端、涙が止まらなかった。
結ばれないことを知っているから。
だから。
「ああ、ずっと双子だ」
だから。
俺はリンの頭を優しく撫でた。
リンの双眸から涙が溢れる。
「あたし――レンのことが好きだよ」
「俺もリンのことが好きだ」
きっとハタから見たら、『仲の良い“姉弟”』見えないだろう。
その胸のうちに秘めた、想いは誰も――俺達以外誰も、気付かないだろう。
俺達が歌を歌えなくなる日が来ても、それからもずっとずっと。
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