ああ、どうしてあの時あんなことを言ってしまったのだろうか・・・



あんなこと言わなければ、負けていなかったかもしれないのに。



きっと、今週1週間僕は凄い憂鬱な気分に染まってしまうことだろう。





メ「じゃあカイト。今日から1週間家の家事よろしくね！」

カ「・・・・・・」

メ「返事は！？」

カ「・・・はい・・・」

はあー。と、思いっきりため息をついてみた。
もちろん家事が嫌だから。
まずはみんなの朝ごはんを作んなきゃ・・・





ミ「おはよーカイト兄！」

カ「・・・はよ」

ミ「どうしたの？　元気ないじゃん！」

いつものことながら、朝からハイテンションミク。
僕の背中をばしばしとたたいている。

カ「朝ごはん何がいいー？」

ミ「もちろんネギ！」

カ「いや、朝からそれはちょっと・・・。みんなから苦情が殺到するから・・・」

ミ「えーケチー。カイ兄だって、朝からどうせアイスなんでしょう？」

カ「まあ・・・うん」

ミ「ほらー！　じゃあもう目玉焼きと食パンでいいよー」

カ「はーい」

キッチンに向かい、冷蔵庫を開ける。

カ「卵あったかなー」

あ、よかった。まだ卵たくさんある。失敗しても大丈夫だ。


最初のころは失敗ばかりして、からがたくさん入ってしまった卵も、今ではめーちゃんの手伝いのおかげでなんとかできるようになってきた。

うん。まあどちらかといえば、料理はまだマシなほうだと思う。
ミクやリンちゃんに比べればだけど。


フライパンの上で卵を割る。
・・・なんとか綺麗に割れた・・・。卵を割るのってこわいな。




しばらくして朝食が人数分できあがった。
結構めんどくさかったなー・・・なんて、めーちゃんには言えない。

机に運んでいくと、もうみんな座って待っていた。

ル「ようやくできたのね」

カ「ひどい！　一応これでもがんばったほうなんだから！」

リ「ようやく食べれるね～」

カ「ちょ、リン！」

リ「お、珍しくちゃん付けじゃあないんだ。もう呼捨てでもいいよｗ」

カ「じゃあそうする」

メ「はいはい、カイト、ありがとね。じゃあいただきまーす」

みんないっせいに僕の作ったご飯に手を着けていく。
あれだけで足りるかな？　なんて考えながら僕も自分で作った朝食を食べる。



レ「ごちそうさまでしたー」

グ「おいしかったよ！　でも家事をするときは、ちゃんとメイド服着なきゃ！　これも罰ゲームのうちに入るんだからね」

カ「め、メイド服・・・。そんなぁー・・・それはレンの仕事でしょ！」

レ「なにいってんだよ！！　罰ゲーム何だからおとなしく従え！」

ああ神様。レンは何時の間に口が悪くなったのでしょうか・・・
年上に向かって命令文って・・・。結構傷ついたよ。

ミ「なんかアイス食べたいなー！　カイト兄作ってよ」

カ「え、なんで！　やだよ」

ミ「だってみんなにこき使われるんだから！　じゃあお願いね～。あ、もちろんネギ味で」

カ「・・・」

そうだった・・・忘れてたよ僕の馬鹿！！
まだ『みんなにこき使われる』というのがあったんだ・・・



仕方がないのでネギアイスを作ることにした。
もうめんどくさいから、もったいないけど、僕のバニラアイスに刻んだネギを混ぜてみた。
うん！　これはまずそう！　　　・・・・・・・・・さよなら、バニラ君。

カ「ミクー・・・これでいいの？」

ミ「うん！　おいしそうー！　ありがと」

いまはお礼を言われても笑顔で返すなんてことはできなかった。
まあ仕方ないと思う。今はみんなの奴隷なんだから・・・


メ「カイトー！　今度は洗濯物干してくれない？」

カ「はいはい・・・いまいくよー」

適当に返事をする。
今度は洗濯物かー・・・。たいへんだなー。

足取りが重いままめーちゃんのもとへ向かった。