いつの頃からか、ぼくはおれになりました。おれはあっという間に14歳になってずいぶんと大人になりました。でもおれが大人になると、めーちゃんも同じように大人になるので、いつまで経っても追いつけません。年頃になったリンとは昔のようにケンカもしなくなりました。きっと口を利かないからです。学校で話してるとシスコンだと笑われるのが恥ずかしいから、次第に口を利かなくなったのです。本当はリンのことは嫌いじゃないのに素直になれない年頃なのです。
ある日のことでした。めーちゃんが知らない男を連れて来たのです。はじめまして、君がレンくん?話し掛けられたけどシカトしました。なんだか気に入らない男でした。背が高くて、頭が良くて、めーちゃんだけじゃなくてみんなに優しくて、本当に完璧な男でした。めーちゃんとは2つしか違わなくて、そいつの方が年上でした。めーちゃんは年上の男が好きなことをこの時初めて知りました。おれだってめーちゃんに優しく出来るし、背だってこれからもっと伸びる予定だし、勉強だってやれば出来る子です。めーちゃんが連れて来た男にも負けないものを持ってると思います。なによりめーちゃんを好きな気持ちと、好きだった時間は負けないつもりでいました。でもおれには越えられない壁を、やつは簡単に越えているのです。この壁ばかりはどんなに努力をしようとも越えることは出来ません。文句の言いようもありません。早く生まれてこなかった自分が悪いのです。本当は父さんと母さんがもっと早く出会っていれば、おれだって、もしかしたら、めーちゃんより年上になれたかもしれないのに。めーちゃんより大人になれたかもしれないのに。だけど、実際、めーちゃんより早く生まれたとして、おれはめーちゃんに出会えたのかどうかはわかりません。きっと会えないと思います。父さんと本当の母さんが離婚して、今の母さんと再婚したとき、めーちゃんというきれいな姉が出来ました。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

bittersweet 2

だらだらと続きます。

お付き合いいただけたら幸いです。

閲覧数:251

投稿日:2009/02/21 00:15:17

文字数:806文字

カテゴリ:小説

オススメ作品

クリップボードにコピーしました