9、鏡音リン
「…………カイト兄……………。大丈夫?」
私たちはいま、観覧車の中にいる。
私は忘れていた。
カイト兄は高所恐怖症だと言うことを。
カイト兄は目の前でぐったりとしている。
そういえば、ジェットコースターとかも高いところから降りていくのが多かった。
やっぱり無理してくれてたんだ。
ありがとう、カイト兄。
大好き。
「カイト兄………。」
なんか、私は泣きそう。
「う……。」
カイト兄、すごく息苦しそう。
目も閉じて、汗をたらして、すごく重症なのが分かる。
どうしよう。
あ、人工呼吸しちゃえ★
え…、別に健全だよね?
息苦しくて大変そうな兄に、人工呼吸してあげるのって。
「カイト兄……。」
私はカイト兄の唇に自分の唇を近づけた。
すると
「そこまで、リン。」
カイト兄が目を開けた。
そして、カイト兄の人差し指が私の唇を抑えていた。
「悪い事…、しようとしてもダメだよ。」
カイト兄の澄んだ青い瞳が私をとらえる。
「だって…。リン……、カイト兄の事好きだもん。」
言った!
言っちゃった!!
カイト兄に好きだって!!!
いやっほうううううう!!!!
頭の中は、今、花畑が咲き誇ってるよ~。
はい、現実へ戻れ!
てか、まだ、今の段階じゃ、返事もらってない事に気付く。
「リン、ごめんね。リンの好きな人は僕じゃないんだ。」
え?
「何言ってるの?………リンが好きだって言ってるんだから……リンの好きな人は……カイト兄でしょ?」
私は動揺した。
「ううん、リンはまだ気がついてないだけなんだよ。自分の心の中で本当に好きな人に。分からない?いるでしょ?」
自分の心の中で本当に好きな人?
「自分の心に聞いてみて、きっと誰か、僕以外の人が出てくる。」
カイト兄以外の誰か……?
「一人しか出てこないんじゃないの?」
その通りだ。
レン。
レンしか出てこなかった。
「出たようだね、答えが。リンの本当に好きな人。分かった?その人に、ちゃんと想いを伝えるんだよ?」
カイト兄……。
「もしかして、それを気付かせるために、今日デート受けてくれたの?」
「うん、そうだよ。気づかれちゃった。アハハ」
もうすぐ、観覧車が地上に着く。
「さあ、降りる準備しよう。」
「うん!」
観覧車から係員の姿が見えてきた。
「カイト兄。」
カイト兄が振り向く。
「ありがとう。」
カイト兄は少し驚いてたようだけど、すぐにいつもの笑顔になった。
「どういたしまして。」
その瞬間、観覧車のドアが開いた。
「帰ろうか。」
観覧車を降りて少したってからカイト兄が言った。
「レン、きっとさみしがってるよ。」
「うん!」
早く帰りたい。
レンのもとへ。
さっき、気づいたこの気持ちを。
はっきりと言いたい。
待っててね、レン。
<続く!>
鏡の中のお姫様(プリンセス)★デート編 後編★
これの続編です。前編→http://piapro.jp/t/KTD7デート編前編(ピクシブでは統一)→http://piapro.jp/t/RVbhです。ぜひ、感想を!ピクシブで連載中の『悪食娘コンチータ』もよろしくです★てか、こっちにまたうpしますね。
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