人魚姫組曲・完結
「夢のあと」第八部

横たわる貴方に長い口づけをした
最後の温もり たった一度の口づけ

貴方がそっと呟いた名前は 私じゃなかった
貴方は幸せになるのね 私はもう充分です。
貴方と過ごせた日々が なによりの、幸せでした。

貴方を殺めようとした左手の悲しみは
遠くの海の波間に 

朝日が昇るまで、貴方を見つめて 私は踊ります 
闇に帰ることはなく 泡となり踊ります。

形を無くした私は 神に透き通った手を高く差し伸べ
そのとき、初めて頬に涙が伝うのを知りました。

あの子の額にキスをして 貴方に微笑みかけて
貴方には見えなくなった私は 貴方を見つめ続けます。

どうか私を忘れないで。
私がたった一人、愛した人。
きっと、私は他の誰よりも愚かで勇ましく、一途な女でした。
短い夢をありがとう。
私は、幸せでした。
幸せ、でした。

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人魚姫組曲08「夢のあと」完結

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投稿日:2009/12/24 19:54:52

文字数:376文字

カテゴリ:歌詞

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