渇ききった大地には涙さえ染み込みはしない
容赦ない光と空、何処までも何処までも続いてる

子供の声が聞こえる、ずっと誰かを探している
その小さな泣き声が、いつまでもいつまでも耳から離れない
正義の果て
潰えたのは笑顔、満ちたのは沈黙

幾通りもの正義が互いを貫きあい、競い合う誇りが命を捧げる
ジャスティス《正義》それは只一人の女神
すり潰された命を抱き、安らかに殺戮を歌う
純潔の美神(ミューズ)

ジャスティス《正義》お前が引く、そのルージュは
私には似合わない
ジャスティス《正義》お前のその唇は
私には余りにも朱(あか)過ぎる



塵まみれた疾風は高く咆哮を上げる。
果てのない荒野、何処までも何処までも駆け抜けていく

女の影が見える。いつまでも誰かを待ち続けている
立ち尽くす絶望が、閉じてさえ尚瞳に突き刺さる
正義の果て
滅びたのは未来、手にしたのは憎悪

悦びの代償に誰も気付かない、足元は嗚咽で濡れているのに
ジャスティス《正義》只一人の女神
搾り出された涙で肌を拭い、高らかに大義を歌う
純白の美神(ミューズ)

ジャスティス《正義》お前が浴びる、その泉は
私には使えない
ジャスティス《正義》肌に触れた飛沫でさえ
私には余りにも痛すぎる


正義は遥か歌う
搾り出せ勇気を、忘れるな誇りを、湧き起こせ力を
掲げ持つ聖杯には血の味の強い酒が
正義と名付けられて
いつもいつもいつもいつも満ちこぼれている

ジャスティス《正義》お前の持つその酒は
私には飲み乾せない
ジャスティス《正義》陶酔に添えた慟哭が
私にはあまりにも苦すぎる

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

ecitsuj (エクサージ)

 絵を描くと、字を書きたくなり、字を書くと…とループするのが性質です。

詩はまず殆ど書かないし、ましてや作詞なんてした事がないんですが
今回は絵を描いていた時に浮かんだフレーズをちゃんとした形にしたくなりました。

中身は正義の裏返し、まぁアンチジャスティスなんですが、ジャスティスと言う名の歌がどうのこうのじゃなくて、心の底でずっと滓になっていた疑念の吐露ですかね。東欧、アフリカ、中東、まぁその辺の。

タイトルはジャスティスの逆読みで、発音もテキトウです。
うーゥェチ、とかウェキ?とか色々発音してみた中で、何か一番カッコよかったからです。

※作内の()は読みを表わします。《》は意味の強調で読み仮名じゃありません。
どういうルールで書くのかもわからないので、とりあえず。

閲覧数:473

投稿日:2008/02/28 11:02:26

文字数:677文字

カテゴリ:その他

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