頬撫でる夏風 咽ぶ蝉の声
さよならに背を向け 二人走り出す
遠ざかる背中が斜陽に滲むのを
忘れられないままでいる
「心なんていらない」と君が零すから
透明な振りのまま空を仰いでいた
喉に閊えた言葉が溢れてしまうから
何も言えないままでいる
愛されることすら
諦めてしまった君は
揺らぐ踏切に心臓を投げたのだ
さよならは云わないで
残された呼吸を辿って
白昼夢に縋っている僕は
君を救う言葉を探している
皆ひとりぼっちだ
悲しみしか識らない瞳は
涙さえも枯らしてしまった
虚しさを貪るだけの日々なら
癒えない傷を抱え生きるくらいなら
いっそ
声が、顔が、歩き方が
自分の全部が嫌いだった
笑いたくても笑えなかった
そのうち笑い方さえも嫌いになった
だから縋った
過去に、音楽に、君に縋った
あの日、死にたかった夜をこえて
君に逢いに来たんだ
さよならは云わないで
さよならは云わないで
さよならさえ追い越して
遠く君に手を伸ばして
お別れを言いに往かなくちゃ
あの日潰えた呼吸が
君が遺した心臓が
間違いだなんて言わせない
ようにこの歌を
君を懐う歌を歌うから
君を救う言葉を探している
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