ある国の王女は言う
「いつか海が見てみたい」と
召使いは顔を背けて
皺だらけの手を震わせる
最期の晩餐の期限は数分後
残酷な夜 月が口角を上げる
窓を隔てた世界
儚さがいつか強さに変わるなら
この身を燃やして
灰を宙に撒いて欲しい
寝室のドアに鍵をかけ水を飲んだ
ある国の王女は言う
「独りでも淋しくない」と
ドアの向こうは水浸しで
隙間から嗚咽が漏れ出す
ラジオから流れる綺麗な歌声
ぬるくなったスープは全て飲み干し
食べかけのパンは指からすり抜けた
水の無い水槽で酸素と踊る魚たち
懐かしいゆりかごの景色
あぁ、やっと自由になれたのね
儚さがいつか強さに変わるなら
この身を燃やして
灰を宙に撒いて欲しい
寝室のドアは開け放たれていた
最期の晩餐の期限は過ぎてく
セピアの夜明けには
虹が架かっていた
王女の微笑みは空へ溶けていった
最期の晩餐は寝室にて 歌詞
「最期の晩餐は寝室にて」の歌詞です
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