初音ミク。
世界中で活躍する、いわば歌姫のような存在。
・・・最も、自分では自覚はないらしいのだが。
毎日ハードスケジュールで、全てを投げ出しそうになってしまいそうな時もある。
そんな時、そっと受け止めてくれるのが今のマスター。
「篠山慎二、っていうんだ。よろしくな、ミク」
初めて出会ったとき、心を閉ざしていたミクに優しく手を差し伸べてくれた。
その手のぬくもりを、忘れたこと等一度もない。
「はぁ、やっと終わった!」
ミクは仰向けにソファーに寝っ転がる。
帰宅してから、倒れこむようにして仰向けに寝っ転がるのがミクの習慣だ。
ソファーが一番心地いいと気づいてから早2年間、毎日このようにして寝っ転がっている。
今年は3939年。
今から考えれば、果てしない未来の事だ。
ミクの人気は、3039年に突然急上昇、以来一度も人気が下がったことなどない。
むしろ、年々上昇しているくらいだ。
「ミク、今日もお疲れ。はい、ホットココア」
慎二はカップにココアを注ぎ、ミクに手渡した。
「ありがとう、マスター」
ミクは慎二からカップを受け取り、両手で持ち上げると女の子らしくコクコクと飲む。
「なぁ、ミク。」
「何、マスター?」
「僕たちの約束、覚えてる?」
慎二はさみしげな、無理な笑顔を浮かべていた。
「もちろん!私たちが一緒に暮らし始めてから5年目に、私がマスターに何かするって約束でしょ?」
「ああ、うんそれ。もう、4年目だなぁ、と思ってさ」
「もうすぐ、だね。」
慎二はカップを片付けて、食器洗いを開始する。
「嫌だったらいいんだけど」
「まさか!そもそも、嫌だったら約束するときに一生懸命になって断るよ!」
ミクの必死な訴えに、慎二はニコッと笑って
「そうだといいけど」
としか答えなかった。
ミクは真っ赤になりながらテレビを見ていた。
「あっ、マスター?」
「何?ミク」
「今日、KAITOお兄ちゃんが司会の、『かいと☆らんど』の日じゃない?」
マスターは天井を見つめ、
「そうだった!」
と慌ただしく録画ボタンをおした。
ギリギリ開始時刻の10分前だったようだ。
「ありがと、ミク」
「ううん、別に。お兄ちゃんの失敗っぷり、見逃すわけにはいかないもんね」
そんな他愛ない話をしながら、この日の夜はあけた━━━━
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