歌詞を書く上でのポイント【PC推奨】

投稿日:2009/08/21 00:38:45 | 文字数:5,802文字 | 閲覧数:4,245 | カテゴリ:その他 | 全2バージョン

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前半が最新。後半が前のヴァージョン。
まぁ、偉そうな事言いながらほとんどできてないんだけどね(=ω=。)

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■はじめに■

歌詞を書くのは面白いです。ヘッドホンをガンガンに鳴らしながらメモ帳開いてカタカタやっているとあまりの地道な作業にある種のマゾイズムのような快感を得てアドレナリンという名の脳内麻薬で軽くトリップできます。時には吐き気を催すほど悩んだり知恵熱が出てバッタリ逝ってしまったりもしますが、そんなのも歌詞書きの楽しみの一つです。

そんなこんなで「歌詞を書くためのポイント」と題して自分が今まで培ったような気がするポイント集を徒然なるままに書いてみたりしようと思います。「そーなのかー」と参考にするもよし「何言っちゃってんのこいつwwwww」と酒の肴にするもよし、初心者の貴方から中級者の貴方まで、有意義な作詞ライフに少しでも貢献できたなら幸いでございます。

【目次】
>前半
・初心者向け
・初級者向け
・中級者向け

>後半
・スキルアップのためのエトセトラ
・オススメの参考アーティスト
・上級者向け


途中で口調が丁寧になったり偉そうになったりしますが勢いに任せて書いてるので他意はありません。気にしないで下さいというか仕様ですというか気にしないで下さいお願いします。ちなみに主にピアプロ内での曲先歌詞に関して言及している部分が多いです。まぁ、気ままに読んで頂ければ幸いでございます。




■初心者向け■

【プロの歌詞を読む】
売れてる人気アーティスト(笑)よりは自分の好きなアーティストが望ましい。歌詞として曲と合わせて聞いたり純粋な読み物として読んだりして歌詞のテンポを掴む事が第一。どういった言葉を使っているのか、文字数はどの程度か、全体図はどうなってるのか細部はどう作ってあるのかなどなど。試しにノートやメモ帳に書き写してみるのも効果的かもしれない。

【とにかく一つでも完成させる】
始めから上手く書けるわけでは無いのでとにかく書いて一つでも完成させる。初心者が気にしなければならない留意点は人称と口調の統一程度で良い。重要なのは完成させる事。なんとなく形になったではいけない。その時点で自分の語彙の全てを出し切るつもりで最高のものを作るつもりで完成させる事。何個か良いフレーズ思いついたけど全部使ったら一個しか作れないから使い分けようなんて賢しい事を考えてはいけない。一曲に全力を込められなければその先もその程度で終わってしまう。

【留意点:文字数とメロディ】
曲先歌詞において重要なのは音数を合わせる事では無いというか音数を合わせるのなんかはやって当たり前で、重要なのは実際にメロディに乗せた時に不自然では無いかという問題。逆に言うとメロディに乗っていれば字余りは見逃して貰える可能性がある。メロディには一音の長さというのがあるので単純に字数を合わせれば良いというものでは無い。「あるぇー字数合ってるのに上手く乗らないぞー」という事は経験上往々にしてあったのでそんな時はもっと細かくメロディを切ってそれに合った字数を嵌めて行く様にしないといけない。
例えば「8ー8ー7」というメロがあったとしても中身は「4-4ー4-4ー3-4」かもしれないし「3-5-5-3-4-3」かもしれないわけだ。この辺りは失念すると偉い目に合うのでいっそ最初から音数なんぞ気にせずにメロディーを脳裏に焼き付けて歌詞を考えたほうが健全である。

【完成させたらどこかに発表する】
この場合はなるべく人目に触れるところが良い。鏡を見ると痩せる理論と同じで客観的な視点で自分の作品を見れるようになる。すると自然と足りないものが見えてくる。そこまで来たらスタートラインは目の前にある。当たり障りの無い感想では無く、本気で批評してくれる人が身近にいたりすると尚可。叩かれたら泣いても良いけど恨んだり暴れたりしない。褒められたら嘘でも素直に喜ぶ。セルフ飴と鞭。「俺は天才だー!」と「俺は凡人だ俺なんかが歌詞なんか書いちゃ駄目だったんだ」という気分の浮き沈みはしばらく乱高下するので気にしない。むしろそうなって当たり前だと割り切る。裏を返せば天才だと思った自分が凡才に見えるようになるのはそれだけステップアップした証拠でもある。




■初級者向け■

【語彙の増強・語彙の強化】
語彙が多いというのは単に単語を多く知っているというだけでは無い。一つ一つの単語に対する理解度や思い入れ等も歌詞を書く上では重要になる。例えば花をテーマに歌詞を書くのであればその花の姿形はもちろんの事、花言葉や歴史・生態・一般的なイメージなんかも思わぬテイストになる。一つ一つの単語を理解し単語の持つポテンシャルを最大限に引き出してやる事も重要なポイントである。気になる単語があるのならgoo辞書・google・wikipedia等を巡回して教養を深めると良い。

【序破急・起承転結の意識】
基本的に多くの歌詞は小さな起承転結を繰り返して大きな起承転結を作っている。例えばA・B・サビという構成であれば「Aメロの起承転結が序」「Bメロの起承転結が破」「サビの起承転結が急」と言った感じである。序破急にするか起承転結にするかは曲の構成によるので使いやすいほうを選べば問題ない(場合によっては起承転承結とか変則的なのもある)が、こればかりは色んな歌詞を読んで自分なりにテンポを掴むしかない。

【読み手・聞き手は自分のファンでは無い事を意識する】
先ず始めに意識しなければならないのが「読み手は自分のファンでは無い」という事。いかに優れた物語を込めて難解な比喩・暗喩を用いたとしてもそれが完璧に理解される事は九割九分八厘無いと考えるべき。難解な歌詞を愛してくれるのは熱狂的なファンぐらい。自分を追いかけてくれる人がいないのに誰も手の届かない所へ飛んで行っても一人ぼっちになるだけである。

【個性の強い単語・造語に頼らない】
言葉にはそれぞれ個性があるが、中でも極端にアクの強い単語というのは取扱いに注意しなければならない。奴らの個性というのはかなり強烈で上手く使う事ができれば極上のスパイスとなるが、少しでも使い方を間違えれば簡単に全体像を破壊して飲み込んでしまったりもする。バターロールの上にイクラを乗せたところで好き好んで食べる人間はいない。

【没にする勇気を持つ】
せっかく思いついたフレーズなら使いたくなるのが人情ではあるけれど、全体の流れを見てノイズになってしまうようなフレーズだったら思い切って没にしてしまう勇気も時として必要になってくる。場合によってはサビを丸々没にして書き直す勇気も必要。サビ用に思いついたフレーズがAメロに化けたりもするので思いついたフレーズは消さずに没用のダストボックスでも用意しておくと良いかもしれない。ただし根を詰めすぎても方向性が狂ってしまうので、何処で妥協するかというのも悩みどころだったりはする。

【メロディと対話する】
せっかく曲先で歌詞を書くのであれば、自分の書きたいものでは無く、その曲の魅力を最大限に発揮できるような歌詞を書いて行きたいところ。第一に曲のジャンル、次に曲の雰囲気、どうすればこの曲の魅力を言葉で表現できるかという事に脳の活動をフル動員させて悩んだり吐いたりする。曲調の浮き沈みも重要な要素で、この作業を怠るとトンチンカンな歌詞になってしまうので注意が必要。ひたすらに聞いて先ずは曲の魅力を十分に理解する事、歌詞をつけるのはそれからで良い。




■中級者向け■

【一撃を作る】
一撃というのはようするに曲を思い浮かべた時に「それだけは思い出せるフレーズ」である。良い歌詞と呼ばれるものにはサビの冒頭にほぼ確実にこの一撃がある。料理で言うならメインディッシュあたりになるだろう。曲の構成や解釈・作品に対する意図にもよるが、一撃の無い歌詞は構成がよっぽどのもので無い限りのっぺりとしたものに仕上がってしまう。一撃を加えない事によってあえてのっぺり感を出す方法もあるが、あまりオススメしない。一撃の無い歌詞は必殺技の無いジャンプの主人公みたいなものである。

例を上げると
エヴァの魂のルフランの  「わったーしにかーえりなさーいー(ry」
ミスチルの口笛の 「さぁーてをつなーいーでぼーくらのいまがー(ry」
あさきのこの子の七つのお祝いにの 「あーっこぉのこがおぉーきくーなればー(ry」
冬の女王の 「ぜっこぉおちょおーまゆふのーこーいーすぴーぃどぉに(ry」
クロマニヨンズのあさくらさんしょの 「わーかーあーったーんじゃなーいおーもーい(ry」
清志郎の雨上がりの夜空にの 「こんなよるにおまえにのれないなんてー(ry」
ハレ晴れユカイの 「あるーはれーたひーのことー(ry」

とかそんな感じである。一撃の条件としては
・その曲を象徴するフレーズである(メインテーマである)
・覚えやすいフレーズである(わかりやすいフレーズである)
・曲の中で複数回使用している(少なくとも全体で二回以上)

あたりが挙げられる。今回はあえて例外ばかり選んだが、サビの冒頭はタイトルテーマとかぶる事が多い。これはそのまま曲を象徴するフレーズとなるので非常にわかりやすい。もっともタイトルテーマをどう扱うかは完全に自分の好みなので別の一撃を用意できるならタイトルテーマをAメロに持ってこようがBメロに持ってこようがサビの途中に組み込もうが使わなかろうがさしたる問題は無い。ただ、タイトルテーマとかぶせると聞き手に覚えて貰い易いというのは念頭に置いておいても良いだろう。

因みにさっき挙げた例の中でも魂のルフランは一撃が二つある。
サビ冒頭の「わったーしーにかーえーりなーさーいー」とサビ最後尾の「たっまっしいのるふーらーん」であるが、こういう構成は珍しくは無いのだけどわりと特殊というか扱いが非常に難しいので難しく考えないほうが良い。



【構成に緩急をつける】
おおよそ一つの曲には3つのサビが置かれる。「A-B-サビ A-B-サビ B-サビ」といった感じである。
この構成はわりとスタンダードな作りなので念頭に置いておいて損は無いだろう。

そして先ほどの『一撃』の話の応用編になるが、3つあるなら全てに一撃を組み込む必要は無いのである。
むしろ途中で一球はずす事によって最後のサビの一撃を印象付ける事もできる。

例えば先ほど例に挙げたミスターチルドレンの口笛なんかだと
http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=65565

こんな感じに二番サビが変動する。ちなみに音の使い方も換わっている。
一三番のサビが「さあ手を繋いで/僕らの今が途切れないように」という区切りをしているのに対して、
二番サビでは「ああ雨上がりの遠くの空に/虹が架かったなら」という異なる区切りをしている。
(「」内Mr.children「口笛」歌詞より引用)

音の使い方を変えると何が変わるかというと、人間の耳というのは非常にいい加減なので同じ旋律に乗せた歌詞であっても異なるフィーリングを感じるようになったりする。歌詞の言葉が変わっているので違う感じ方をするのは当たり前なのだが旋律の区切りを変える事によって、その「違い」をさらに印象づける事ができたりする。もっとも気のせいの部類のあって無いような違いなので、音の区切りにまで拘る必要はあんまり無い。

二つ目のサビをガラリと変えると歌詞の世界観も広がりわりとメリットが多い。ひたすらに一撃で押し切るのも手だが、ある程度の緩急は加えたいところである。最も、この緩急はサビが三つ以上無い場合は使えないわけで、その場合は一撃を捨ててサビを変動させるか、一撃を繰り返して強調させるかの選択をする事になる。



【中級技巧編:良い子は真似しない】 ※守破離の破

▲メロディを跨いだフックをかける▲
メロディごとに文章の切れ目を持たせる事がおおよその基本ですが、あえてメロディ単位で切らずに次のメロディまで跨がせるというのも技巧の一つではあります。ただ、扱いが凄く難しいので狙ってやる必要は全く無いです。せいぜい試しに書いた歌詞フレーズ候補がメロディを跨いでしまったけど聞いていてそんなに不愉快じゃ無いなーという時はあえてそのまま残す事があっても良いぐらいに考えておくと良いでしょう。

▲アクを残す▲
あえて個性の強いキーワードを使うと読み替えても可。ただし使い所や使い方には十分留意が必要。たった一つのフレーズ、たった一つの言葉で全体像を破壊してしまう危険性があるので、ここら辺は作品のコントロールに十分自信を持ってから行ったほうが良い。

▲日本語で遊んでみる▲
例えば同じようなフレーズが繰り返されるメロディがあったらフレーズ途中で伸ばす音や語尾を同じにしてみたり同じキーワードを繰り返させたりしてみる。同じ言葉を繰り返すと手を抜いているみたいに思うかもしれないが、立派な技術の一つである。プロの歌詞を思い浮かべると「何度でも~何度でも~」みたいなフレーズはわりとゴロゴロしている。決して悪手では無いが、使い方が難しいので使うことによってどういった効果を生み出すかはやはり気にかける必要がある。他にも有名な故事成語をそれとなく絡めてみたり同音異義語なんかを絡めてみたり発音の似た言葉を使ったりしても芸の幅が広がる。

▲自分の芸風を確立する▲
ある程度歌詞を書く数を重ねていくと、だんだんと自分の個性というものが見えてくる。10人が10人同じ旋律に歌詞を思い浮かべたとしても先ず一致する事は無い。プロの歌詞を色々見比べるとわかるように、それぞれがそれぞれに異なるロジックで歌詞を書いている。これは技術云々の話では無く感性の問題である。問題はそういた感性をどのように扱うかというところ。感性を生かすためには時として感性を押し殺す事も必要になってくるし、むしろ感性に任せて突っ走ったほうが良いものが出来る時もある。こういった感性やさじ加減等がひっくるめて自分の芸風となる。ある程度の段階になったら自分の芸風というものを意識してみるのもステップアップの切っ掛けになるかもしれない。

不思議の国の鶏
blog
http://niwatoloid.blog.fc2.com/
twitter
https://twitter.com/niwatoloid
作品履歴
http://www.nicovideo.jp/mylist/35665469


影響を受けてそうな歌詞書き
wonder boy/不可思議
チバユウスケ
甲本ヒロト
真島昌利
あさき

アイコンお借りしています
http://aliceridder.web.fc2.com/top1/frame.htm

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作品へのコメント3

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    ご意見・感想

    こんにちは。初めまして。
    随分と昔の投稿へのコメントお許しくださいw
    僕は、プロの方々に憧れつつも完全独学で(というか勉強なんてせずに)拙い作詞を感情のまま、自己満のように(というか半分は一種のリハビリとして)行っているので、このようにためになる文章がPiaproに載っていてありがたいです。
    最低でも基礎はやはり学ぶべきですものね...ちゃんとやろうと思っているのであれば...
    まだこの先の記事を拝見していないのですが、全部見て、自分の糧にできればなと思います。
    人付き合いのない人生を永らく送ってきていたもので、日本語がおかしなところ・無礼なところがあるかもしれませんが見逃してください...orz
    ありがとうございました。

    2016/05/20 21:33:29 From  MIA_tear

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    ご意見・感想

    >'tさん
    はじめましてだなんて他人行儀な(何
    sweetie pastelメイコさん初調教のようですしなかなか手間取りそうな感じですな。

    それはそうとこんなネットの辺境まで来ていただいてありがとうございました。
    テキストファイルにカチカチしていたらまさかの一万二千文字(=ω=。)
    もうちょっと上手く纏められたら良かったなーと思いつつも、お役に立てたのなら幸いです。

    2009/09/05 21:24:13 From  鶏 

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    ご意見・感想

    はじめましてー
    iceblueさんの曲の完成が待ち遠しくて何度も行ってるのですが、まだみたいで(偉そう)鶏氏の歌詞はお預け状態です。他の作品を拝見してちょっとでも間を持たせようとしてます。
    とてもためになる講義を受けさせていただきました!
    それにしても曲の完成が待ち遠しいですね~☆でわでわー

    2009/09/04 01:18:29 From   ’t@無期入院中

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