ディフィティストの姉はいじけむし
ディフィティストの姉はいじけむし
それでも私ねえさんを嫌いにならないわ
ディフィティストの姉は愛しくて
ディフィティストの姉は愛しくて
それでも小判鮫女は恋におちました
(※defeatistだけど歌パートでの発音はdeficit寄り)
私はねえさんが疎ましかったが愛おしくもあった
姉は慎ましかったが、歪んでいた ディフィティストだった
腹の虫の居所の悪い日には 朝方まで不満を垂れ流していた
決闘の後 ねえさんは恩人と称する女を連れて来て
私に言った「女苑 この人となら私幸せでいられると思うの」
その夜、ねえさんはいびつに笑みを浮かべこう言った
「女苑 ずっと迷惑かけたけどもう大丈夫よ」
やがてねえさんは何を思い詰めたかボロボロ涙をこぼし始めた
洟で顔を汚しながら、涙をこぼし始めた
どうにもこうにも腑に落ちずなんかちょっといやだなァと思っていた
それから程なくしてねえさんはあまり家に帰らないようになった
突然来たと思えば押売で私は家に閉籠りがちになった
「ねえ女苑 私ようやっと気付いたの。人も神様も信じてれば救われるの。」いつの言葉か
その日も姉の写真を眺め明け暮れ
ねえさんの薄い唇を擦っていたが、
不意に硝子が割れて姉さんがいた
「女苑! 一緒に外に出よう!
澄んだ外の空気吸おう! ほっぺたおちる美味いお肉食べてから
おっきなお風呂浸かって朝までずっと語り明かそう!
ゆったり過ごそう! 罪滅ぼしだとかのつもりじゃないけど
幸せに暮らすいうことはそーいうことなんだヨ!!」
私は仏門に下っているのだけど外に出てった
見た事ないような血色でうれしそうに笑った顔で
「奢るから」といい蝦蟇口を開けた 私はつられて気持ちがよかった
時間は金のように光り 本当に幸せを感じた
とてもいい気持ちだった 一日中ねえさんはニコニコしていた
そんなある日 私は生き倒れの赤い女を見た
女とはどこかで遭った気がしたが 見ない振りして
避けるように逃げ帰ってしまった
次の日 その人が死んだと噂になった
その話をすると姉さんは私をど突き回した
「女苑!女苑!わたしはそんな妹に躾けた覚えはない!
それにその人が本当に死んだともわからないというのに!
女苑!このいじけむしが!薄情者が!この疫病神が!」
私はねえさんのアポクリン腺が好きだった
寝ている時の姉さんの布団に忍び こっそり深呼吸しないと夜寝もままならなかった
不摂生が祟り饐えた腋臭症 (それ)は貧しい肩身の狭さやエゴを
どうでもよくして気持ちが良かった
寝返りざまに姉さんは言った「女苑………なんだかくすぐったいねぇ」
「なんだかとってもくすぐったいのよねぇ」ぐずぐずぐず………
ぐずぐずねぼけながらねえさんは言った
「女苑……女苑………今思うと私 私ごときなんかのくせに
都合いい……都合のいい幸せだったよねぇ」
ねえさん!
いじけむしでいちもんなしのねえさん!
蝦蟇口が底抜けの銭喰い虫と知って尚馬鹿の一つ覚えに縋るだけの能無しといういじらしさを汲んで敢えて貢ごう
だからねえさん!
どんなしあわせになっても
貴女はずっと笑わないでいてほしい
ねえさんこっちむいて
ねえさんそっぽむかないで
だけどねえさんは依然とさもしいていたらくに上目遣いの不満足を並べるのであった…
こぉのいじけむしが!
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