※これは、れんげの脳内の出来事です。
あの・・・・・とても、カオスです。
「・・・え?挨拶?何で?嫌だよそんなの何でしなきゃいけないの」
ここは、れんげの脳内・・・
ってことは置いといて、とあるボーカロイド達の一室。
そこに、今、ピンクと紫が混じったような色の髪の毛をした1人の少女が恥ずかしそうにミクに抵抗している。
「ほら、よく学校とかでやるでしょ?漫画とかで見ない?
よく分かんないけど、転校生は最初にみんなの前で自己紹介するの」
「知らねーよ!別にここ学校じゃないじゃん・・・っ」
そう言いながらも、嫌々少女はミクび連れられてみんなの前へ一歩進む。
「ぅえーっと・・・どうも。こんにちわ。渚音です。
・・・その、何を言えばいいんだ・・・・えと、12歳の中1で・・・えー・・・
・・・よ、よろしくお願い・・・します?ぅぁっ//」
「はーいよく言えました!
うんとね、こちらは渚音レンゲちゃん。
私達みたいに公式じゃないけれど、今日かられんげの脳な・・・私達の仲間だからね^^」
紹介が終わったとたん、少女――レンゲは、部屋の空いている椅子にさっさと腰掛けてしまった。
「レンゲちゃんね!リンだよ!みかん食べる?」
「え?」
「それよりも俺のバナナ食わねぇ?うまいぞっ」
「あ、はい・・・」
「レンゲちゃん!今日から僕が君の兄ちゃんだからね!何か困ったことがあったら頼ってね」
「バカイトなんかより、私を頼りなさい。お酒、飲める?」
「メイ姉、レンゲちゃん12歳だよ・・・・」
座ったとたんにあらゆる方向から話しかけられ、レンゲは戸惑って赤くなった。
助けを求めるように視線を彷徨わせていると、ふいに誰かと目があったようで、その人に向かって微笑む。
それを見たミクは、不思議に思ってレンゲの視線の先を辿ると―――・・・そこには、優雅に微笑んだルカが座っていた。
「・・・ルカ姉!?」
「何よ」
急に声をあげたミクに、皆が驚いて目を向ける。
「え、何どしたのミク姉・・・ルカ姉がどうかした?」
「レンゲちゃんっ、ルカ姉と何か関係あるの!?」
「へ?イヤ、あの・・・ルカ・・・」
「呼び捨て!」
全員の視線を一気にあび、たじろいだレンゲは立ち上がるとたたっと駆け、ルカの後ろに立って彼女の長い桃色の髪の毛をいじりだした。
「あーっルカいい香り!」
「ちょっと、みんなの視線が痛いわよ。なんとかしないさな」
「なんとかって・・・・別に、気にするようなことじゃないよ」
「気になるから!」
頭が混乱して思考回路がぐちゃぐちゃになってしまったが、その瞬間目に飛び込んできた光景に、ミクは唖然とし・・・
関係を問いただすのを諦めた。
ルカが、レンゲを撫でながら妖艶にフッと微笑んでいた。
それから数日。
レンゲはすっかりみんなに溶け込んで、仲良くなっていた。
「ねーこないだのミク先輩の新曲聞いたよー
うまいなーあたしもあんな風に歌いたいっ」
「そういえばレンゲちゃんの歌ってあんまり聞かないねえ
どんな歌歌うの?」
「へ、あたし?いやー・・・う、歌うのは・・・ちょっと・・・」
「レンゲはね、ただ歌うのが恥ずかしいだけなのよ」
「メイコ先輩!いっいや、別に恥ずかしいわけじゃねー・・・けどッ」
「今度リンとデュエットしようよ!」
「えぇっリン先輩と?いいの・・・?」
「もちろん!レンも歌う?」
「どーしよっかなー」
そんなレンゲ達の会話を、カイトとがくぽが部屋の隅でお茶を飲みながら聞いている。
「はー和むなー」
「こうして輪の外で眺めているだけでも幸せでござる」
ただ仲間にいれてもらえないだけです。
と、そのとき―――・・・
「レンゲ」
部屋中に澄んだ綺麗な声が響いた。
そして、それにいち早く反応して声のもとへ走っていくのがもちろんレンゲ。
「なーに?どしたのルカ」
「今度マスターに2人用の曲作ってもらうから、一緒に歌ってみない?」
「いっ、いいの!?///」
「あなたの声と私の声、合うと思うのよ」
「じゃあ・・・・歌う・・・・っ」
「マスターに脅しかけてくるわ」
「いってらっしゃーい」
ルカが部屋を出て、しばらくしてからどこからか悲鳴があがる。哀れマスター、良い夢を。
そうしている間に、レンゲはミク達の輪の中に戻っていく。
「うっし!がんばって歌、上手になろっ!」
その様子を見つめていたみんなは、あきれたような顔をする。
レンゲは、他の誰よりも、ルカにだけはデレデレだった。
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