アイ・ストーリー
第四話「新しい仲間」 其の一
「……マスター!早く早く!
早くしないと、アイスの特売が終わっちゃいますよ!」
「KAITO……。そんなにあわてなくても、スーパーは逃げないって。」
この日、私とKAITOは再びスーパーで行われている
季節はずれのアイスの特売に向かっていた。
朝からKAITOは子供のようにそわそわしている。
「マスター、早くぅ!先に行っちゃいますよ?」
「……先に行ってもいいけど、財布持ってるのは私だから
意味ないと思うけど?」
「あ……そうでした。」
「…………(くすっ)。」
自分とKAITOのやりとりに、思わず笑みがこぼれてしまった。
だって、KAITOが……あまりにも……。
「……マスター。今、笑ってましたよね。
僕の事、バカだとか考えていたんでしょう!?」
「えー……違うよ。違うけど……。」
『KAITOが可愛かった』とは、さすがに言えない。
「むぅ……いいですよ。僕はどうせバカですよ~……。」
ありゃ、拗ねちゃった。ますます可愛い……じゃなくて。
こういう時はこう言えば、KAITOの機嫌は一発で直る。
「……KAITO、今日は特別に高いアイスも二つ買ってあげる。」
「…………えっ!!本当ですかっ!?」
KAITOの表情が一気に明るくなった。
「本当本当。」
「絶対ですよ!約束ですよ!」
……KAITOって……いや、これ以上は考えないでおこう。
そんな事を話しながら、もう少しでスーパーに着くという時だった。
「……あっ!美冬ちゃんにKAITOさん!」
「えっ?……あ、紅葉ちゃん!」
後ろから声をかけられて振り返ると、そこには紅葉ちゃん
秋彦先輩、ミクちゃんの三人の姿があった。
「よぉ、おまえ達相変わらずいつも一緒なんだな。」
「それは秋彦先輩の方もじゃないですか~。
所で……三人共、何処かに行く途中みたいですけど?」
「あぁ、研究所に行く所。例の件で紅葉の付き添いだ。」
「……そーだ!美冬ちゃんとKAITOさんも一緒に研究所に行こうよ!
ぜひ、マスターとVOCALOID先輩のお二人の意見を参考にしたい!」
「……えっ……。」
急に名案を思いついたように紅葉ちゃんが言ったセリフに
KAITOの表情が一気に凍りついた。
「あー……うん。じゃあ、一緒に行こうかな……って、うわっ!?」
KAITOがいきなり私の手を引いて、三人から少し離れた位置まで来ると
小声で話し出した。
「(マスター!研究所に向かったら、大幅な時間ロスですよ!
それに今さっき約束しましたよね!?
特売品の他にも高いアイス二つ買ってあげるって!)」
「(し、したけどさ……。紅葉ちゃんの頼みを断るのも悪いし……。
KAITOだって、新しい友達が出来るかもしれないんだよ?)」
「(それは……そうですけど……。でも……アイス……。
でも……でも……うぅ~……。)」
葛藤してるKAITOが面白……いや、かわいそうになってきたので
とりあえず、ここは……。
「(KAITO!今回は出血大サービスよ!高いアイスを三つ……
いや、五つ買ってあげるから研究所に行きましょう!ねっ!)」
「(!!!ほ、本当ですかっ!?嘘じゃないですよね!?)」
「(もちろん!私を信じなさい!!)」
「(は、はいぃぃっ!ありがとうございます!)」
そこから先のKAITOは、鼻歌交じりで上機嫌だった。
「兄さん、何か良い事でもあったの?」
「うん!まぁね!……♪~♪~♪~……。」
やっぱり……KAITOって……いや、これ以上は考えないでおこう。
……続く。
アイ・ストーリー 第四話 其の一
めっちゃ久しぶりにこの話を更新です(滝汗)。
第四話、美冬視点です。
何か……急に書けそうな気がして書いてみたら出来た……!
前と微妙に書き方が変わっているのは……まぁ、仕方ない(汗)。
この話を初めて投稿した時はまさかこんなに色々な方に
読んで頂けるなんて思ってもいなかったから……。
相変わらず不安定な内容と更新速度ですが
よろしくお願いします。><
そして今更だけど、タイトルが某ディズニー映画のタイトルと
すごく似てると気づいた……(汗)。
まぁ、ディズニー映画好きだから良いんですけどね。
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