海辺の街の路地裏
潮の香りに混じって
輪廻の渦から遠く外れた
匂いがふたつ

異なる色の虹彩を
携えた人魚の少女は
血に飢えた牙を隠した
少年を見とめた

儚き定命の生に
追われ忌み嫌われた
鏡合わせの運命が
いま重なり始める

少女は安寧を
そして少年は血を
互いに求め与え
惹かれていく

彷徨い続けた二つの魂が
永遠(とわ)にも似た
長い時間(とき)を経て
響き合った
交わした契りで
満たされたグラスのキール
潮の香りと鉄の味がした

求め合う季節から
幾年(いくとせ)が過ぎただろう
老いることのない命を
ただ持て余していた

人が生まれ死に行く
歳月を幾度経ても
変わることない姿
疎ましく思うとは

有限は永劫を
果てなき生は限りを
互いに欲しがれども
届かぬまま

虚ろな永遠を
過ごしてみて気付く
限りある命なればこそ
輝くのだと

彷徨い続けた二つの魂は
終わるべき時が来たことを
悟り煌いた
最後の契りは
涙の味がした
全て見てきた太陽の下で
少年は身を焼かれ
少女は海の砂へ
還る

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
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キール

キールの歌詞です

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閲覧数:78

投稿日:2025/12/28 00:42:04

文字数:452文字

カテゴリ:歌詞

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