今日はハロウィン。
世界中のいろんなところで今頃たくさんの人々が仮想やいたずらでもして楽しんでいるところだろう。
でも私にはそんな楽しいイベント、関係ない。
昔から『怪物』と呼ばれ続ける私にはちょっとだけ他の人とは違う力を持っている。それだけで人々は私のことを『怪物』と呼ぶのだ。本当の『怪物』を知らないクセに。
「君も一人かい?」
唐突に話しかけられ驚きながらも顔をあげると、目の前には月の光に照らされてキラキラと金色に輝く髪の男の子。「君も、『怪物』と呼ばれる子なんだろ?僕と同じさ。だから一緒においでよ?」
「行って...何するの?」
ほんの少しの恐怖心から少し声が小さくなる。
「踊って狂って叫んで喚くのさ。なんたって今日Halloweenの夜だから。ね?一緒に行こう!」
彼は私の手を握りしめ何処かへと連れて行く。私は必死にその後をついて行った。置いていかれないように...。
彼が連れてきた広場には他にも人がいた。けれどみんな独特な雰囲気を醸し出していて不思議な感じだ。
「さあ、諸君!今日はHalloweenの夜だ!僕ら、『怪物』みんなで集まって楽しい楽しいHalloweenにしようじゃないか!」
台の上に立った金色の髪の男の子の声でどこからもなく「おっー!」という声が上がる。
さっきの話からしてここに集まっている人たちもみんな『怪物』と呼ばれる人たちのようだ。
「ほら、君も列に並ぶんだ。おっと、そういえばまだ名前を聞いて無かったね?僕はレン。よろしく」
「私は...リン」
「リンか。いい名前だね。よし、リン。今日のことについて教えておこう。実は今日は日頃僕らを『怪物』と呼ぶ人間どもに仕返しをするために集まってもいるんだ。名付けて!『Halloween逆転の夜』!かっこいいだろ!僕らで逆転させるんだ!」
「....人間どもに仕返し?」
「そうさ!君だってずっと『怪物』と呼ばれ続けて来たんだろ?悔しくないのかい?悲しくないのかい?だから僕らは仕返しをするんだ。ずっと孤独に生きてきた僕らの悲しみを思い知らせる為にも」
「そういうことなら...手伝う」
「うん!よろしく!」
そう言ったレンの顔は笑顔でとても眩しかった。
「さあ!みんなさっさと歩け!人間どもを見下して!」
「行くぞ!行くぞ!れっつごー!」
息のあった掛け声と共に行進する。
今までにこんなにたくさんの仲間と過ごせたことはあっただろうか?たとえ今夜、Halloweenの夜だけだとしても私は今日のことを一生忘れないと思う。
「おっ..!お前たちは誰なんだ!子どもならお家に帰りなさい!こんな夜に出歩いていいとでも思っているのか!?」
行進を続けていると不意に人間のお爺さんが目の前に飛び出してきた。どうやら僕らの行進を止めたいらしい。
「おじさん。とっても幸せそうだね?羨ましい限りだよ。だけどね、おじさん。その幸せの裏に何が隠れてるか考えたことってある?僕らはそれをとても良く知ってるんだよ。おじさんたちみたいな人のせいでね!」
幸せの裏には苦しみがある。
人間たちは僕らにそれを押し付け、なすりつけ自分たちだけ幸せに生きている。僕らに『怪物』というレッテルを貼って。
感情なんてものはもたなかったのに、今はどうしてか涙が溢れて溢れて止まらなかった。
「ほら!みんな行くぞ!こんなところで止まってるつもりかい?僕らにはやらなきゃならないことがあるだろう!」
ここに集う彼らはみんな孤独と戦った人たち。そこらへんの人間には想像できないような苦しい戦い。それを強制した人間たち。僕は絶対許さない。
やめて...!やめて!そんな目でこっちを見ないでよ!
そんな目で見る人間たちなんてみんな消えてくれればいいのに!私から母も父も妹も奪った、人間どもなんて私たちと同じ苦しみを味わってから消えればいいんだ!
「そうだ!リンっ!その通りだ!」
「リンちゃんの言うとおりだよっ!」「リンさんの言うとおり!」「リンお嬢ー!俺感動しやした!」
レンを筆頭にして次々と上がる賞賛の声。
次第にその声は大きくなりみんなを包み込む。
「神ヨ我ラに勝利ヲ!」
一斉に叫びながら行進する。
人間たちの恐怖に引きつった顔が視界に入った。
今まで行進するみんなが味わってきた感情を今は人間どもが感じている。
僕らの勝利だっ!我ラノ勝利ダ!
みんなとても喜んでいて嬉しそうな表情だ。
私も感じたことのない安心感や幸福感を全身で味わう。
そうして勝利の余韻に浸っていたが不意にレンのことが気になってあたりを見回す。
するとちょうどこちらを向いたレンと目があった。レンはにっこり微笑むとさっき以上の大粒の涙を流しはじめた。
最初会った時とは全く違うとても満足そうな表情に安心する。
お陰でつられて私まで泣いてしまった。
泣いているのに、だけど心はとても幸せだった。
ーー怪物タチノ見事ナ逆転劇...
Halloween逆転の夜
ぐれ~らびっとさんが書かれた歌詞を元に小説を書いたりしてみました。
http://piapro.jp/t/cA95 <元になった歌詞>
とても素晴らしいのでぜひ見てくださいね!
ばっーと!書いたので展開がはやい&かなりの駄文となっています。ご了承ください!!あと、途中で一度語り手が交代します。リン→レン→リン
この小説に関するアドバイスなども募集しまーす!
設定はまた気が向いたらあげます。
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