うまいこと隠された立ち位置の決まった自由
バミりから外れぬように微笑んで前倣えする
そんな不自由な自由にまた
笑顔で返したスタンディングオベーション

光が落とされ一瞬の静寂の後
全部全部一つになれた
そんな気がしたんだ米粒よりも多分小さい私
G列32番から見ていた

曇り空座れる電車背を向けるピンクのワンピ
パンプスと合わせてもなぜだろうどこか寂しげで
良くはない悪くもないでも見ちゃう広告は
スマホをいじって何してるかわからない
あの人には届かないメッセージ

ギターのチューニングピンと張った1弦が切れた
黒ずむ指先と角が削げたドロップ型

ボルテージ最高潮モッシュピットのど真ん中
22時32分発では帰らない
動きが左右逆ピンクのペンライトは私
どうせ用意しているんでしょ
アンコールのための衣装も曲もわかってるよまだ
G列32番から離れない