「黄昏」
A
心透かすのよ薄手のシャツは
汗ばむ襟足を拭うハンカチ
淡い色してた私のセーラー
四角い教室で君を見ていた
B
ガラス窓打ち付けている
雨粒も初恋も
青春は夕立の中
隠れて消えた
S
キャンバスの プールに
泳いでいるの 心は
滲んでいく 絵の具は
私の春に 似ていた
細いタイ胸元で結んで
A
錆びた階段と空の傘立て
探した帰り道君の影踏み
空が呼んでいたぺトリコールで
回った自転車は私を急かす
B
アスファルト打ち付けている
雨粒も初恋も
濡れていくスカートの裾
重く冷たい
S
この夏は 泡沫
雨が上がれば さよなら
混ざっていく マーブル
私の春は 溶けてく
先生さえ誰も知らないの
あの夏の 幻想
黄昏ていた 窓際
靡かれて 1粒
私の春の 思い出
遠い空青い春重ねて
「たそがれ」
A
こころ すかすのよ うすでのしゃつは
あせばむ えりあしを ぬぐうはんかち
あわい いろしてた わたしのせーらー
しかくい きょうしつで きみをみていた
B
がらすまど うちつけている
あまつぶも はつこいも
せいしゅんは ゆうだちのなか
かくれてきえた
S
きゃんばすの ぷーるに
およいでいるの こころは
にじんでいく えのぐは
わたしのはるに にていた
ほそいたい むなもとでむすんで
A
さびた かいだんと からのかさたて
さがした かえりみち きみのかげふみ
そらがよんでいたぺとりこーるで
まわったじてんしゃはわたしをせかす
B
あすふぁると うちつけている
あまつぶも はつこいも
ぬれていく すかーとのすそ
おもくつめたい
S
このなつは うたかた
あめがあがれば さよなら
まざっていく まーぶる
わたしのはるは とけてく
せんせいさえ だれもしらないの
あのなつの げんそう
たそがれていた まどぎわ
なびかれて ひとつぶ
わたしのはるの おもいで
とおいそら あおいはる かさねて
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