宵闇覚めぬ頃にあなたの歌が
　始まりの鐘に調和して聞こえた
　錆びた大地に静まり佇むのは
　行き先を見失ったただの抜け殻

　瞳に映った灰色の空へと
　この手を伸ばしても何も掴めずに・・・

＊世界に響く音は
　あなたの音に勝てず
　私の心を溶かしていくの
　誰も居ない朝には
　緩く喉を締めつけ
　愛しいあなたに会いに行くから

　紅蓮の影が重なる刹那の時
　霞む世にあなたの姿を映した
　崩れかけた墓石に刻み込まれた
　二人共に生きてきたという証

　鏡に映った変わり果てた姿
　彷徨い続ける想いごと連れていって・・・

＊世界を飾る色は
　あなたの色に勝てず
　私から全てを奪っていくの
　空席の右側が
　寂しくならないよう
　今すぐあなたに会いに行くから


＊世界に響く音は
　あなたの音に勝てず
　私の心を溶かしていくの
　誰も居ない朝には
　緩く喉を締めつけ
　愛しいあなたに会いに行くから





― ひらがな ―

　よいやみさめぬころにあなたのうたが
　はじまりのかねにちょうわしてきこえた
　さびただいちにしずまりたたずむのは
　いきさきをみうしなったただのぬけがら

　ひとみにうつったはいいろのそらへと
　このてをのばしてもなにもつかめずに・・・

＊せかいにひびくおとは
　あなたのおとにかてず
　わたしのこころをとかしていくの
　だれもいないあさには
　ゆるくのどをしめつけ
　いとしいあなたにあいにいくから

　ぐれんのかげがかさなるせつなのとき
　かすむよにあなたのすがたをうつした
　くずれかけたぼせきにきざみこまれた
　ふたりともにいきてきたというあかし

　かがみにうつったかわりはてたすがた
　さまよいつづけるおもいごとつれていって・・・

＊せかいをかざるいろは
　あなたのいろにかてず
　わたしからすべてをうばっていくの
　くうせきのみぎがわが
　さみしくならないよう
　いますぐあなたにあいにいくから


＊せかいにひびくおとは
　あなたのおとにかてず
　わたしのこころをとかしていくの
　だれもいないあさには
　ゆるくのどをしめつけ
　いとしいあなたにあいにいくから