第十一話 本当の君
「おっかさん……、いったい何が――レンは―――」
この子は何も知らない。
自分が何者であるかさえ。
私は【悪魔】。
となると、この子は―――。
もう少し隠していたかった。
あともう少し、おりんには平凡で幸せな生活を送っていてほしかった。
でもそれは無理みたい。
「おりん、驚かないで聞いてちょうだい―――?」
「――?」
きょとんとした可愛らしい顔で、自分の母の顔を見つめる。
何も知らないがゆえに、その純粋な瞳で。
「あなたは――、人間じゃないの……―――」
「――え……?」
おりんの瞳に色がなくなってゆく。
顔が強張ってゆく、手が震えてゆく、目が潤んでゆく。
こんな顔、見たくなかった。
「ごめんなさいね――今まで、隠してい」
「おっかさん――嘘でしょう……冗談はやめてくださいな―――?」
冗談じゃないのよ、残念ながら―――。
おりんは、部屋から飛び出した。
私は止めることはできない。
すべては私の所為だから。
私があの人を好きにならないで、課題をすぐ終えていつも通りに“トップ”として存在していればよかった。
季節は、秋の終わり。
物悲しい秋は姿を消して、何もない冬が現れようとしていた。
「れん―――、お前はあの日に戻れたとしたら、違う選択ができるというのかしら」
私とは違って。
きっと私は同じ選択しかできない。
「あなたには―――幸せになってほしい」
「――おい、ルカ。何しようとしてやがる。まさか―――」
そう、ここにはまだカイトがいたんだわ。
眉を寄せてこちらを睨んでいる。
「―――ええ。もし私が駄目だったら、後は頼むわね」
「え―――」
幸せを、掴んでほしい。
それがどんな形であろうと。
私のように成らないように。
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ご意見・ご感想
しるる
ご意見・ご感想
あらまぁ…やっぱり、リンちゃんはそうだったかぁ
でも、大切なのは人種ではないからなぁ
そして、ルカさんのやろうとしていることとは…?
2012/12/22 09:09:37
イズミ草
そうですそうです。
うんうん、良いこと言いますね。
2012/12/22 16:48:42