そして、一夜明けた。
初音ミクのバースデーライブは終了した。一息つく人もいるが、次の初音ミクのイベントに向けて早くも準備する人もいた。そんな日の夕方。会場近くの焼き肉店。
「…よし、一通りそろったな」
テーブルに揃ったメニューと注文したメニューを比較しながらホワイアンスPがうなずく。そのテーブルには、彼のミクと、ブラグレスP、そして彼女のミクの4人がいた。
「…よし、何から食う?」
早速、肉を焼こうとするホワイアンスP。
「…マスター、ここまで気を遣わなくて良いです」
ホワイアンスPのミクが言う。
「…そうよ。ここまで気を遣う必要は無いわ。今日のために店まで探して予約してくれたんだから。今は少しは休んだら?」
今回の食事は、ブラグレスPがメインテーマを担当する話が出てから、ライブの翌日には肉を食べるということで二人の見解が一致したので、ホワイアンスPが店を予約していたのだ。この店は個室で、周囲を気にせず食事ができる。
「じゃ、頼むわ。…やれやれ、悪い癖だ」
「私も手伝います」
ブラグレスPのミクが申し出る。
「それじゃ、二人に頼もうかしら」
「…ねえ」
「何だ?」
二人のミクが肉を焼いている間、ブラグレスPがホワイアンスPに声をかける。
「ライブが終わってからどうしたの?」
「俺は、ライブが終わった後は、さっさとホテルに帰って、軽い夕飯を食って、今日の昼まで寝てた。ホテルには昼間で寝てるとあらかじめ言っておいてだぜ。ホテルを出てからは、街をほっつき歩いてたな」
「…私も同じね。気が抜けちゃったわ」
「そういやよ、色々と言われてたんだろ、どうしてた?」
「…面倒な手合いは無視するに限るわ」
「奇遇だな。俺と同じだ」
「…知ってるわよ。構っても時間の無駄よ。そんなことに時間を割きたくなかったわ」
「だな。経験上、構って俺のプラスになったことがねえ」
「私もよ」
二人とも、初音ミクを知った時に彼女に未来を感じ、その未来を作る手伝いをしたいという理由でPを始めていた。二人の言動は大きく異なるが、それはアプローチ方法の違いに過ぎず、二人の初音ミクに対する想いは共通である。それをお互いに知っているからこそ、ウマが合うのだと二人は思っていた。
「マスター、お肉が焼けました」
「…じゃあ、食べましょう」
「よーし、何から食うかな」
そういって、食事を始める四人だった。
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