A
空っぽの器満たそうとして
底空いたグラス手に取らされて
生きてくだけなら簡単だけど
死んだような目じゃ生きてたくない

発育がいいとただ褒められて
敷かれてたレール踏みつけ歩く
7センチヒールおぼつかなくて
掬いようのない伽藍堂です

B
クルクル巡る仮面の色
赤？白？黒？それとも藍色？
ヒラヒラ落ちる花弁（かべん）の色
おぞましく見えるかな

S
透明なサーカス姿は見えてるの？
見世物みたいに綱渡りして
欲しいものひとつも答えられないなら
ココロの在り処はどこにあるかな

純白を纏って望まれた姿で
オーダー通りじゃつまらないでしょ
夢に見たソワレは音もない舞台で
痛みも光も感じないまま

A
来た道をそっと振り向いてみて
まっすぐな跡にうんざりしてる
縫い付けた口で誤魔化すけれど
実際のところ誰も知らない

B
グルグル廻る視界の端
上？下？前？それとも後ろか
グラグラ軋む想いの丈
見失うこの目から

S
純正の踊り子糸から吊るされて
それすら楽だと思ってしまう
大切のひとつもわからないのならば
アタシの定義を辞書で引いてよ

喝采を背負って誰かのふりをして
1ミリでさえも違（たが）えないまま
落ち方がちっとも思いつかないから
奈落を背にして紅を引くのさ

C
算数なんてお手の物ですが
自分のことは赤点だらけ
国語もわりと出来る方ですが
アタシを問えば問うほど地獄

S
透明なサーカス姿は見えてるの？
見世物みたいに綱渡りして
欲しいものひとつも答えられないから
奈落の誘いに乗ってしまうの

逆さまの世界で糸さえ断ち切って
確かに動いた心臓を抱く
純白を汚して望まない姿を
ココロの在り処と呼んでいいかな