恋風（こいかぜ）

intro.
きみといた夏が終わる　淡く
色をつけた　この恋はまだ　ここに…

1a.
かなしい瞳(め)をして
微笑むひとでした
やわらかな頬(ほほ)　撫(な)でれば
なぜか　せつなくて

1b.
深い闇に　迷い込んだ
ぼくを掬(すく)った　その手は
まぼろしだったの？　どうして…

1s.
きみといた夏が終わる　ひとり
この掌(てのひら)に残る　ほのかな熱
きみといた夏が終わる　はらり
舞い落ちたのは此葉(このは)、ぼくの涙？

2a.
空っぽの心
そっと吹き抜けた
ああ　懐かしいぬくもり
きみは　風でした

2b.
つめたい肌　細い肩
汗ばむ首　その声も
ぼくのすべてが　覚えてる…

2s.
きみといた夏が終わる　淡く
色をつけた　この恋にさよならを
いまきみは　どこで何を思う？
あの夏ぼくは　風に恋をしました

（了）