風邪を引いて2日目。
なんだか昨日より、体が重い…。


「いつもより早目に医者へ行ったんだけどなぁ…。」

まぁ、市販の薬よりは効くだろうし、もう少しの辛抱だ。


そう言い聞かせては見るものの、
しんどいものはしんどいので、
お昼ご飯を食べてからうっかり2時間程、寝てしまった様だ。

起きてみると、母も娘も寝ていた。

疲れたのだろう。
眠いと言っていたし、寝かせて置こうと思ったら母が起きた。


なんだ、もう起きたのか。
もう少し寝ればよかったのに…。


ふと時計を見ると、もう16時位にはなっていた。
そろそろ夕飯の準備か。
まったく、主婦は大変だ。


食器を洗ってくれている母の手伝いをしようと
声をかけたが、気を使って


「休んどきなー。大丈夫だから」

と、言ってくれたので
まだ本調子じゃないし、素直に娘を構いながら、休んでいた。




ジュー…




美味そうな匂いがする。

母は、具合の悪い俺に変わり、夕飯を作っている。


今日は何だ?

うむ。揚げ出し豆腐か。
それと大根もちとー…どうやら和食の様だった。

好物の揚げ出し豆腐で密かにテンションが上がりつつ、娘と遊ぶ。

そんな時だったーーーーー。

やつは前触れも無くやってきたーーー。




ピンポーン






夕飯の用意で忙しい時にタイミングの悪い来客。

『手離せないっていうのに…(怒)』


静かに怒りがわいてきたが、そこは大人なのでおさえて


「どちら様ですかー?」

フライパンを振りながら母は声をかけた。




「……………。」




まさかの無言だ…と…?



頭にきたらしく、怪訝そうにもう一度同じ事を言いながら、ドアを開けた。


すると目の前にいるのは、20代位の男性だった。
「あ、ちょっとお伺いしたい事がありまして、貴金属はお持ちですか?
私、各家庭に訪問させて頂いてます。
もしいらない貴金属等あれば
買い取りさせて頂きたく…」






こいつは空気を読めないのか?





こちとら夕飯どきで忙しく、さらに怪しげなセールスマンが来て、ただでさえイライラしているというのに…

しかも早く帰れよオーラを出しまくっているのに、ペラペラペラペラ一方的に喋ってきやがった。


あぁ…今日の晩御飯が
いい香りを漂わせていやがる…。


それにしてもあまりに空気を読めていない…



というか主婦を相手にとるなら
まず夕飯どきの5時6時には、訪問してくるんじゃねぇよカス。
ろくな会社じゃねぇなオィ…
つかあれか?!ゆとりか?!ゆとりなのか?!!
せめて訪問するなら、
遅くても4時位までだろう!!!!



そんな事を考えていたら、余計に腹が立ってきた。

それに忘れてはいないが、夕飯の支度をしていたのだ。

そろそろ焦げそうになってきたので、
ついにこう言った………。


「あの!!今天ぷら揚げてるんで(怒)手離せないんです!!!!(激怒)帰ってもらっていいですかね??!!!!(嘘だけどw)」





あぁ…とうとう母は、
堪忍袋の緒が切れたらしい。
物凄い勢いで、いい放った。


肝心な俺はというと、
不思議そうに覗く娘と母とセールスマンのやり取りを、クスクスと笑いながらこっそり覗いていた。

まぁ具合悪いし、人見知りだしw許せ母(笑)
俺はそんな空気の中に、入りたくないのだ\(^O^)/


否、入れる訳が無い…。


それにしても母はすごいな…なるほど。
しつこいセールスマンには、精神的な大ダメージを与えるのか…

効果は抜群だぁ!!!
……………と、
感心したのも束の間、


それでもやつは、
立ち向かってきたのだ…





ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

(笑)うセールスマン【第二話前編:自重?何ソレ美味しいの?】

これは実際に起きた、嘘の様な本当の話し。
全てノンフィクションです|ω・`)

閲覧数:117

投稿日:2012/10/29 00:30:46

文字数:1,548文字

カテゴリ:小説

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