丹(ニイ)の笑み振りかざし
「白珠(シラタマ)の君が為(タメ)」と
今宵も髪振り乱し
逢魔ヶ時(オウマガトキ)を駆ける
「さぁさ、此方(コチラ)へおいで!
冥衆(ミョウシュ)に見つからぬよう!」
絶えた鳴弦(メイゲン)を嘲笑う(ワラウ)ように
彼方(オチカタ)の双子 子飼い狐の仔が
けたけたと笑み広ごる(エミヒロゴル)
呪咀(ジュソ)にれかむ緑い(アオイ)傾城(ケイセイ)
手と手と手と手とで
幾人消えた
嗚呼
迷い惑い目瞬き(メマジロキ)
狐面の青い影がにたり笑む
妖宵(ヨウショウ)、宴冷めやらず
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