【夏の灯と約束】
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あれから何度も季節が巡って
僕は少しだけ背が伸びたけど
空に灯る火を眺める度
ここにいない、君を思い出す
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路地に咲く鮮やかな朝顔の
景色を切り取ったような浴衣
はしゃぐように足早な君を
眩しく見てた僕がいたんだ
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あの大きな柳の跡が
夏の夜空に溶ける前に
言いたいことがあったはずなのに
君がいなきゃ、何の意味もないや
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守りたい人ができたんだ
臆病な僕と離れた肩が
賑わいと煌めき中で
しゃがみこむ影が寄り添った
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今日の華やかな喧騒は
遠い空から誰かを照らすだろう
忘れもしないあの日の僕らの
距離を縮めたように
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祭りの隅の小さな水路を
僕は当てもなく見つめていた
透明な水面に反射して
悔しいくらいに目覚しかった
b
手を振る君 離れる僕
「また同じ光を見ようね」
あれがもし最後だと知ってたなら…
今となっては、何の意味もないや
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大切な人ができたんだ
帰り道僕は確かに感じた
夜の残り香を深く吸い込む
やけに胸騒ぎ抱えたまま…
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そして僕はひとりになった
また同じ季節が近づいてる
取り残されたままの心が
夕待ちの空で虚ろになる
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今日の華やかな喧騒は
遠い空からどこかを照らすだろう
忘れもしないあの日の僕らの
距離を縮めたように
夏の灯と 夕待ちと 約束の物語。
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