【リレー】僕と彼女の不思議な日常 2


「あなた。私が何考えてるか知りたい?」

唐突に彼女が言ったのは、初音が研究室にやってきてから3日経った頃だった。

「え?」

確か僕が研究室のフラスコに適当に物質を投入して混ぜ合わせてた時だった。

「『地球プラネタリウム』って知ってる?」

「ああ。地球の外は宇宙のように広がっているんじゃなくて実は地球は一個の閉鎖空間っていう説だろう? あれは地球空洞説並みに愚問だよ。有り得ない」

「ほんとうに?」

初音は僕に向けて笑みを零す。

「ほんとうさ。だってニュートンの万有引力の法則がある。それを覆さない限り不可能だ」

「――レオンハルト・オイラーは知ってるよね?」

「ああ。オイラーの公式の人だろ? 指数関数と三角関数の間の等式だったっけか」

「そう。でも彼も地球空洞説について言及しているわ」

「擬似太陽か……。有り得なくはないけど。そもそもニッケルと鉄の合金のはずだろう?」

「それはまだ確定されていない情報よ。まだ人間はチャレンジャー海淵ですら到達していないのだから」

「なんだい君はさっきから」

僕はうんざりした。それをあえて見せつけるように初音に尋ねた。

「君はさっきから否定された仮説ばっかり言ってるね。なんだい? 執着心が強いのは認めるけど古い柵[しがらみ]にこだわってちゃだめじゃないかな?」

「……否定された仮説が正しくない、って誰が決めたのかしら」

初音は俯いて、言った。

僕はそれを聞いてあまりよくわからなかった。

初音の言っていることが、でもある。

でも、心の根底にある“なにか”が。

僕の疑問を呼び寄せる。

「それじゃあ、パシフィス大陸は?」

「それはムー大陸の焼き直しじゃないのか? 太平洋の中心に大陸があるなんてマントルの動きからしてありえないさ。これも科学的に否定されてる」

「……つまらなくなったね。あなたと話すのも」

「さっきからなんだ」

「私が、何を考えているか。言おうと思ってたんだっけ。忘れてたや」

「……どうせ、否定された仮説が云々だろう」

「まあ、聞きなさい」

こほん、と咳払い。

「この世界は『操られた世界』……って言ったらあなたは信じられる?」


つづく。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
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【リレー】僕と彼女の不思議な日常 2

ごめん、全く進んでない。

ユルカラインさんとのリレー小説です。一応オチは(僕の方で)決まってます。

ユルカラインさんの第一話:http://piapro.jp/t/w8lN

あんま進んでないけどユルカラインさんにバトンタッチ!←

閲覧数:293

投稿日:2011/10/19 21:03:10

文字数:954文字

カテゴリ:小説

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  • aurora

    aurora

    コメントのお返し

    結構電波な感じを作ろうとしたらこうなっちゃいました?(^o^)/

    ブクマありがとですー

    2011/10/19 21:17:11

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