擦り切れた包みの端を握り
少女は一人歌う お皿を満たす為

宵闇と ぼろを纏った少女
横抱きの子を抱え 冷たい石畳を歩く
ただ
お腹が空いていた
喉を売るか心を売るか
幼い少女にはその違いがわからず
ただ頷いた

そしてイメージは繰り返す…

暗い 部屋の隅 鎖 足音
ピアノ 小さな掌 火傷の痕
痛みを伴う記憶

そして繰り返す…

唄を歌っています
それが私の仕事だから
後悔などありません
ただ
真っ白な天井にうねる灯り
規則的に揺れる躰
顎を伝い頬に落ちる汗が
涙を濁らせていった

けれど私は本当に幸せだった
それは貴方が傍に居てくれたから
唄を聴かせてあげる
子守唄を 貴方だけに

唄歌い続ける心がある
痛みさえ今は愛おしい

パンと果物を抱え 硬い石畳を駆け上がる
晩冬の焼けた空は 黒煙を覆い隠す程に赤く
境界線を溶かしていった
愛していた貴方さえも

崩れ落ちるのはどうして
うねる炎さえ安らぎ見せた

(慟哭)

少女の怨嗟の炎は幾日も休む事無く燃え続け
斜陽の空を少しずつ 少しずつ傾けていった
灰塵と成りそれでも果てる事の無い躯が
ただ再生し続ける記憶

そしてイメージは繰り返す…

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

そしてイメージは繰り返す

閲覧数:276

投稿日:2017/06/11 21:35:38

文字数:504文字

カテゴリ:歌詞

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