全くもって歪なものだ
その様はさもさも古代魚
蛇足ばかりを拵えただけ
私、ぼんくらで泳いでいる

貴方が褒める「月」というものを
私も見てみたかったわ
とうの昔に退化した目でさえも
さぞ綺麗なんでしょう?

朝もない、昼もない、夜だけがある
誰も来ない世の中の底
誇れるものは何も無いのに
何のために生きているのやら

舌はあればあるほど便利だ
その実は嫌われたく無いから
他の魚は羨まし過ぎるのに
嫉妬言いあぐねた

今日も僅かばかりの食事を済ませ
当てなくフラフラ泳いで
貴方が話す「月」の事も忘れて
ほら、救いようがない

波風立てずに腹這いながら
綺麗事で耳を埋め尽くす
「水面の上は嘘に塗れる?」
居場所なんて端から無いのに

朝もない、昼もない、夜だけがある
誰も知らない世の中の底
何処に向かって唄を歌えば
こんな思いせずに済むのやら

息は何時迄も続かない
泣いてしまう、朦朧の中
いつか私も行ってみたいわ
貴方が居る「月」という所

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

ラティメリア

月に憧れる古代魚の歌

閲覧数:235

投稿日:2019/03/24 23:18:52

文字数:424文字

カテゴリ:歌詞

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