縹渺の棟:盲目のアリア

夕焼け小焼けの下
指切りを交わした
瀬に浮かぶ声は白色の静かな影法師


ゆらゆら遊んで風任せ
-もう一度だけ-
そう頬に浮かべた雫を指の背に


恋しくても恋しくても
逃げる星の空を追いかけ
-辿り着けないのね-
羽を無くした一縷の蛍火

-鳴いて見せて-四鳥の声
強く愛した芥の世に
「まだ消えないでいて」
零れていた便りに

影無し人、風に乗せ
今耳元、笑ってみせた

それぞれが故意であって
それぞれに求め合い
壊して尚、人は幸せを願う

小さく鳴いた哀の間に
きっと夢だけを見ていた 
教えて羽が無い理由を
「この涙、誰に救えるの」

ひらひらと風凪   
星星の乱列に 
「囁いていて」
「傍においで」 
-私はここにいる- と

恋しくて、まだ愛しくて
幸せの意味を探した
安らぐ吐息を

歪な愛を謡う人々は
脆く一泡となり
寄せては返し天を仰ぎ
-光には未だ追いつけない-

愛した背の安らぎ求め
泣いていた温もりは
幸せだと言えるだろう

-ほら、聞こえる- 
私は一人。静かに手のなる方へ 


影落とした誰かが
指差して笑った
14の棟から流れ出す
微かなオルゴール

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • オリジナルライセンス

縹渺の棟:盲目のアリア

閲覧数:412

投稿日:2020/02/21 03:29:46

文字数:509文字

カテゴリ:歌詞

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