――2時限目。
この時間は機械学。まぁ簡単に言えばロボットの講義だ。
この授業はこの先のメカだのなんだのという
俺にはわけのわからない授業だ。
実際この講義を聞いている人はあまりいない。
ただ先生が甘いので聞いていなくても単位はとれる。
ので、この講義は人気がある。
「おい、お前さんまたぼーっとしてんぞ」
隣に遅れて教室に入ってきた恭也が俺の隣に座りながら
話しかけてきた。
俺は眼だけを動かしてまたぼーっと黒板のほうを見た。
今はどうやら恭也が言っていた歌う機械の話の様だ。
「えー、それじゃぁ今度は歌う機械の話をしようかな。
南野、遅れてきたならちゃんと言いに来いよー。
歌う機械というのはどうやら人型らしいな。
しかも普通に生活しているらしい。
食べ物も普通に食べてそこから体内でエネルギーに
変えているようだ。
このことを考えると会っていても気がつかない可能性が
かなり高いことが考えられるな。
その機械には右腕に型番が描かれているらしい。
見分けたかったらそこを見てみろ―。
もしかしたらこの学校にもいるかもしれないな!」
と、長々と話をしていた。
「聞いたか?俺の話はどうやらガチみたいだな。
たまには俺の話を信じてみろってのに」
そうだな、と肯定だけしといてあんまり信じて
いないのが現実だ。
ただ先生が言うのだからほぼ間違いないだろうな。
すこしだけそのロボットに会ってみたくなった。
――今更だが自己紹介をしておこう。
名前は久慈崎 尚。冬生まれ。
今までしゃべっていなかったのはただ無口なだけであって
しゃべらないときつくなってきたわけではない。
まあ簡単な説明はこんなものだろう。
――講義が終わり、ミクに電話してみることにした。
電話しようとした時にまたもや恭也が学食に行くようだったので
ミクも連れて学食に行くことにした。
『もしもし、久慈崎さんですか?ちょうど今終わったとこです。
え?学食ですか?場所が分からないんですが…』
そう言われてみればそうだ。俺が迎えに行くことにした。
『私は久慈崎さんと朝別れたとこにいます。まってますね』
と、電話を切った。
恭也に事情を話し、ミクを迎えに行くことにした。
――「久慈崎さん!!すみませんわざわざ迎えに来ていただいて」
ミクが先に俺を見つけたのか俺に声をかけ近づいてきた。
「気にしないでいいよ。恭也が待ってる、早く行こう」
俺がそう言うとミクは安心したのか顔がにこやかになった。
「ならよかったです。行きましょうか」
二人で学食に向かっていると周りからひそひそと声がした。
「何あの人!めっちゃ可愛いじゃん!」
「しかも綺麗。キレカワってやつ?」
「ていうかあんな人いたっけ?ていうか隣の男はなんなん!?」
ミクはとにかく目立った。誰かが言うようにキレカワだし。
髪の毛もとても長くツインテールにしている。
隣にいる俺としてはかなり気分のいいものだが
ほかの男からしてみればイライラするのだろう。
「…?久慈崎さんどうかしましたか?」
ミクはなれているのだろうか全く気にしていない様子だ。
とにかく俺は学食へと急いだ。
――「ラーメンだけでいいかなー?久慈崎さんは何にしましたか?」
味噌ラーメンを押しながら俺に聞いてきたので、食券を見せた。
「豚骨ラーメンですか。明日はそれにしてみようかな」
嬉しそうにして学食のおばちゃんに食券を見せた。
「いやー、ごきげんようお二人さん!」
「せーんぱい!お疲れ様です!」
後ろからリンと恭也が来た。
「おつかれさま。ていうかなんで俺達のほうが早いんだよ」
恭也に聞いてみると、どうやらリンを迎えに行ったらしい。
ラーメンが出てきて4人でたべはじめた。
「今日の機械学、なんかリアルだったよな」
恭也が言ったので俺は頷いた。
「機械学だから…あー、あの歌うロボットの話?」
リンが言うとミクが驚いたような顔して
「う、歌うロボットですか!?」
と、かなりおどろいているので恭也が笑いながら
「そこまで驚くこと?まぁ、普通は驚くもんだよな。
一回でいいから見てみたいよな。な、久慈崎」
これまた俺は頷いた。
「そ、そうですね、私も見てみたいです」
ミクはなぜか苦笑いしながら肯定した。
その様子を見てリンは嫌な笑い方をしていた。
――「じゃ、俺達まだ講義あるから、じゃね」
「先輩、また遊びましょうね!」
俺達はラーメンを食べた後にすれ違うようにして別れた。
リンがミクとすれ違う時にミクに何か言っているように見えた。
ミクは眼を大きくしてあせっているようだった。
「…ミク?どうかした?」
「え、あの…な、なんでもないできゅ!」
…どうやらミクはあせると噛んでしまうようだ。
しばらく無言が続き、ミクが口を開いた。
「あ、えっと久慈崎さん、これからお時間大丈夫ですか?」
「大丈夫だけど…どうかした?」
そう答えるとミクはうれしそうにして
「どっか遊び行きましょう?」
ニコッと笑うミクを見て、俺には断る理由なんかなかった。
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