――、或いは影。


西の空は身も凍る韓紅(からくれない)に 燃える 燃える 燃える
悲しい程の夕焼けに立ち竦み 夜を待っている

軋む車輪は 嘶く雷鳴となり
黒い太陽と 天使を堕とした
滲む藍色は 私の影を隠して
飛び立つ鴉の 行く先を溶かした

掌の中には闇もないと知った
何一つまつろわぬ寡黙に攫って…… 

涙を流す度に少しずつ 愛しい唄は砂に崩れていく
眩暈に安堵を覚える午前二時 過ぎ行く影ごと消してくれよ

流るる夢の痕 恋を嘘にして 眠る 眠る 眠る
伽藍洞の胸に花を押し込んだ 血の代わりにはならなくて……

耳鳴りの静寂に 誰と知らぬ叫号の音
その破裂が 遠い日の 私自身の断末魔
誰もどうか私を見ないで 醜さと嗚咽と狂気を
それでも尚 愛を求める 矛盾に喘ぐ冒涜

喪失の先には果ても灰もなくて
何一つ救われぬ飛沫に攫って

心の焔を少しだけ捨てた 幾らかは楽になると、思ってた
浅い呼吸を繰り返す午前2時 さざめく風に消してくれよ……

昏いさざ波に溺れる魚の様に ただ
朝に途切れる 薔薇色の終息を待ってる

踊れ 虚ろを孕んで 独り
嗚呼 死が降るだけの泥濘と

纏わりつく影にまだ縋りつく これ以上何を捨てればいいの?
頭痛と白雨を苛む午前二時はまだ 続いて……。

「なあ 何処か遠くに連れ去ってくれよ」
「あの光が見えない場所まで……」

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

――、或いは影。 / 初音ミク

閲覧数:137

投稿日:2022/08/28 17:30:39

文字数:585文字

カテゴリ:歌詞

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