「ルカ、昼だぞ」

目を開けたら、真っ先に視界に飛び込んできたのは超絶美形の茄子だった。

「がくぽ…」
「おそようルカ」

寝ていた私を、ベッドに肘をついてじーっと見ていたらしい。悪趣味。

「なんでここにいるの」
「マスターがルカを起こせって俺に言いつけたからルカの部屋に来た」
「ふーん」
「というのはウソだ」
「ふーん…は?」
「俺の買い物につきあってもらいたいんだ。午前中に何回か電話したけどお前出ねぇんだもん」

がくぽは微笑して、立ち上がった。黒の七分袖のTシャツと、細身のジーンズ、シルバーのネックレス。四六時中和服、というわけではないらしい。サムライ言葉じゃないのもちょっと新鮮。

「買い物って、何の?」
「明日はクリスマスイヴだろ。その、好きなコに贈り物をしたいんだ。でもどういうプレゼントがいいのかわかんなくて」

がくぽがカーテンを開けたら、どんよりとした曇り空が見えた。がくぽに好きな人がいるなんて、知らなかったな…。

「…で、選ぶのを手伝ってほしいってことね」
「そうそう」
「どうしよっかなー」
「えー…メシおごるから!頼むよルカさーん」
「…ええ、いいわ」
「ズルい女だなお前」

屈託のない笑顔。砕けた口調。仕事の顔やサムライ言葉に慣れた私をドキッとさせるには充分で。

「あんたがそこまでするなんて、よっぽど可愛い人なのね」
「一目惚れだからな。…ホント可愛いぜ」
「…そう。着替えるから、リビングで待っててくれる?」
「あぁ」

微かな笑みを口元に薫らせたまま、がくぽは部屋を出て行った。彼にこんな顔させるなんて、どんな人なのかしら。


「少なくとも私じゃないみたいね…さて、何着て行こうかしら」

彼が黒い服だから、合わせて黒のワンピと適当なカーディガンにしよう。あとはコートを羽織って、リビングへ。

「お待たせ」
「おう。ルカって支度速いんだな。一時間は待つつもりだった」
「そんなに大したことしてないし」

グミから『お兄はケバいのはムリだって』って言われて、さらっとメイクしただけなんだけど。…あぁ、私、この男の好みの女になろうとするのやめないと。

「そうか?あー、元々がいいから化粧もそんなにしなくていいってことか」
「バカじゃないの。行くわよ」


お世辞なんかいいって。そう心の中で呟いた。


…続きません。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
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【ぽルカSS】期待はしてないの。

続かないかも。

閲覧数:1,964

投稿日:2011/10/09 00:05:42

文字数:987文字

カテゴリ:小説

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